氷の海にダイヤの雨が降るポエムを解読!『Rain on Neptune』
氷の海に降るダイヤの雨?
ドラマティック・ショースペース
『Rain on Neptune』
作・演出/谷 貴矢
海王星ネプチューンに降る、ダイヤモンドの雨。それは海王星の月、トリトンから、青く輝く氷の惑星へと贈る、ラブレターであるという。
そんな噂を聞きつけ、伝説のトレジャーハンター、シャトーが海王星にやってきた。
激しい嵐と冒険を求める彼だったが、降り立った先は数多の宝石と音楽に溢れる、美しき夢の世界であり、意外な歓迎を受けてしまう。
月の王トリトンは、戸惑うシャトーに二つだけ条件を提示する。一つは、ダイヤモンドにだけは手を出さないこと。そしてもう一つは、氷の女王、ネプチューンに恋心を抱かないこと。それさえ守れば、ここにいつまでもいてよいと言う。
遠い遠い故郷、フランスを想起させる追憶のチューンに乗せ、不思議な住人達と冒険を忘れ安らかな時を過ごすシャトー。だが、雨の彼方に浮かんでは消えるネプチューンの美しい姿に、次第に心惹かれていってしまう。恋が、雨を嵐に変えていく。
舞浜アンフィシアターの空間をドラマティックに活かし、芝居仕立てで紡ぐショースペースと、クラシカルでスペクタクルなフィナーレ。新たな試みによる二部構成で送る、コズミック・コンサート。
紅子:えーっと、1行目の”海王星ネプチューンに降る、ダイヤモンドの雨。それは海王星の月、トリトンから、青く輝く氷の惑星へと贈る、ラブレターであるという。”
まずここからしてポエム過ぎて・・・
管理人:「氷の海」とは、海乃美月さんの出身地の「氷見」から「氷海」とインスピレーションを得たのではないかしら。
これは作・演出/谷 貴矢先生が、海王星の衛星トリトンの地質学について解説したらこうなるのよ。
海王星の第1衛星。1846年に発見。名はに由来。海王星系で最大。
海王星の自転と逆向きに公転するため、潮汐力で公転速度と軌道が低下しつつあり、将来は海王星に衝突すると思われる。
表面では火山活動がみられ、液体窒素・液体メタンなどを噴出している。直径は約2700キロ(地球のおよそ0.2倍)。平均表面温度はセ氏マイナス235度。
海王星は太陽系の最果ての惑星で(冥王星は2006年に「準惑星」に降格)とにかく太陽から遠くて、寒いのよ。(平均表面温度はセ氏マイナス235度)
なのに、火山活動があるのよ。
紅子:マイナス235度ってカッチンコッチンで、マグマがファイヤー!フィーバー!どころじゃないでしょ!
管理人:地球でいう高温のマグマではないんだけど、トリトンにある氷の火山では、なんとマイナス200度近い低温の液体窒素や液体メタンなどが噴き出しています。
それはまるでダイヤモンドダストを噴き上げる火山のような光景ではないかしら(見たことないけど)
紅子:氷のファイヤー!フィーバー!
そんな寒いところではシーーーーーーーーーンとしていそうなのに、エネルギッシュな天体なのね。
管理人:そのエネルギーの源は、
”この氷の火山が「噴火」するための、つまり氷が融解するためのエネルギー源としては、海王星がトリトンに及ぼす潮汐力であろうと考えられている。これによってトリトンは変形し、これによる摩擦で氷が融解しているという考え方である。”
つまり、トリトンは海王星のおかげでフィーバーしているのね。
紅子:贔屓(海王星)への思いで心が揺り動かされてハッスルしているヅカファン(トリトン)みたいなものなのね
管理人:その例えやめれ。
紅子:で、なんで恋しいネプチューンに思いを寄せてはいけないのよ。
管理人:トリトンには地表があるんだけど、海王星はガスでできた惑星だから、「足を踏み入れる」ことができないのよ。
しかも。
トリトンは元々太陽系の外にあったのが、海王星の重力に引き寄せられて衛星になったらしいのね。
”海王星の自転と逆向きに公転するため、潮汐力で公転速度と軌道が低下しつつあり、将来は海王星に衝突すると思われる。”
紅子:惹かれ合ったもの同士が、互いに目も合わさず、最後は衝突してしまう・・・
管理人:という、すこぶるサイエンスな話題も、谷先生にかかるとこんなサイエンス・ロマンティック・コズミック・コンサートになってしまうのね。
こんなことを考えている時が一番楽しい地方民でした。