『夢現(ゆめうつつ)の先に』配信正直感想
『夢現の先に』配信を視聴しました。
結末に関する、がっつりネタバレ感想です。
もう配信されたとはいえ、まだ追加公演が設定されており、未視聴の方も多くいらっしゃいますので、
ネタバレ防止のため、公式の作品紹介を引用して、スペースを空けております。
バウ・ドリーミング
『夢現(ゆめうつつ)の先に』
作・演出/生駒 怜子
悪夢にうなされるのが日常となっていた“僕”。
いつものように夢をみて、いつもと同じ終わりを迎えようとした時、突然声が聞こえた。
“彼”は自分の夢に招待しようと、強引に“僕”を連れ出してしまう。
“僕”とは正反対の、鮮やかな色と楽しげな音楽に彩られた“彼”の夢。
そこには、“僕”が密かに想いを寄せる“彼女”とそっくりな女性の姿も。
“彼”は一体何者なのか。
なぜ“僕”は何度も同じ夢を見るのか。
夢と現が交差する中、真面目に生きようともがく“僕”が辿り着く先は……。
感想:ふたひねりした異世界ファンタジー
管理人:まあ、アニメでいうと
「トラック転生」
もので
「クララが立った!」
系のお話ですね。
紅子:アニメを知らない読者のために、解説したほうが・・・
管理人:最近のラノベやアニメでは、いわゆる「異世界もの」と呼ばれる、主人公(若者)が、物語の冒頭でトラックにはねられ、
死亡して「異世界に転生」して大活躍する、という
「トラックにひかれて、死んで転生」
パターンのお話が多くてですね。
最近では、「トラック転生」設定をさらにひとひねり、
「17歳でトラックにひかれて、17年間昏睡状態にある主人公。
眠っている間、異世界に転生していた主人公が、35歳のおじさんになって目覚めた!
現実世界はさあ大変!」
という設定の
「異世界おじさん」というアニメがヒットしています。
TVアニメ『異世界おじさん』PV第1弾【2022年7月放送スタート!】
▼イントロダクション
2017年秋――。
17歳のときにトラックにはねられ、それから17年の間ずっと昏睡状態だった叔父が目覚めた。
病室を訪れた甥のたかふみが目にしたのは、意味不明な言葉をつぶやき、
異世界「グランバハマル」から帰ってきたと話す叔父の姿だった。
……叔父さんは、頭がおかしくなっていた。
『夢現(ゆめうつつ)の先に』では、
現実の世界で、悪夢にうなされるのが日常となっていた“僕”(鷹翔 )が、
実は交通事故で10年間昏睡状態にある”彼”(亜音)の、鮮やかな色と楽しげな音楽に彩られた夢の世界に迷い込み、
“僕”は”彼”に勇気づけられて、現実世界の”彼女”(山吹)と、一歩ずつ距離を縮めていく。
そして”僕”は、
”目覚めたら、言葉もうまくしゃべれないかも。一歩歩くのだって大変かも。このまま楽しい夢の中にいたい!”
と、目覚めを恐れる”彼”を
「こっちにおいで」
と勇気づけ、
紅子:『アルプスの少女ハイジ』でいうと
「クララが立った!」
の、「ふたひねりトラック転生」ものなのね。
管理人:になったのかどうかは、ぼかされていたけれど、
たぶん、ハッピーエンドなのでは。
紅子:で、アンタの感想は?
管理人:うーん・・・
紅子:あ、好みでなかった?
個人的に、ラノベによくある「トラックにひかれた人が、異世界に転生して楽しくやっている」という設定自体は、
宗教でも輪廻転生思想とかあるし、残された家族が「亡くなったあの人は、天国で生まれ変わって楽しくやっている」と思うことで、救われることもあるかもしれない、と思っている。
なので、そういうジャンルもありだと思うけど・・・
管理人:“僕”(鷹翔 )と、現実世界の”彼女”(山吹)との、不器用で甘酸っぱい初恋模様は、
ああ、宝塚のバウだなあ、と微笑ましかったし、ダンスもカッコよかった。
でもね。
「昏睡状態にある”彼”(亜音)は、実は昏睡中に見ている夢が楽しすぎて、目覚めるのが怖いから目覚めない」
という設定はなあ・・・実は身内に、数か月だけど昏睡のまま亡くなった方がいて、その家族の心労を見ているので、
「タカラヅカファンタジーだから」
とすんなり楽しめなかった。
紅子:劇の冒頭から、効果音などで ”僕”もしくは”彼”は、医学的に重篤な状況にあるらしいことは予感できるし、
「夢の世界に閉じこもっていないで、現実に踏み出そう」
というテーマは、よくわかるんだけどねえ・・・
管理人:これが、引きこもって、ネットゲームの世界にしか居場所が無い青年が、仮想空間(メタバース)での出会いをきっかけに、リアル現実に踏み出す、というならまだわかるんだけど・・・
紅子:宝塚で、「ひきこもり8050問題」を見たいか、と言われても・・・
管理人:シンプルな話だし、オチも読めちゃうのに、特に第1幕は、話が進まなすぎて・・・異世界アニメなら第1話、23分くらいで終わらせる世界観紹介&キャラ顔見世エピソードを、1時間かけてもね・・・
羊たちのいさかいとか、花屋の店員たちの人間模様とか、もう少しエピソードをいれたほうがよかったのでは?