宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

芹香DS感想 さりげなく、小粋



芹香斗亜『KISS -kiki 』さっくり配信感想です。


宝塚のオリジナルソングは少なめで、


芹香斗亜さんが演じたブロードウェイミュージカル「プロミセス・プロミセス」の作曲者、バート・バカラックの曲を歌うコーナーなど、外部の曲を中心にした構成でした。



バート・バカラック!「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」好きだったなあ。



バート・バカラック: ニューヨーク・シティ・セレナーデ/Arthur's Theme[ナクソス・クラシック・キュレーション #特別編:バレンタイン]


香川の田舎の中学生だったのに、「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」を聞いてノスタルジアすら感じさせるとは、凄まじい才能の方だと思います。


ずいぶん前から音楽業界の出す新曲は「若者をターゲット」に特化していて、


オトナは、「自分が若者だった頃の音楽」を聴いて、


世代間の隔絶は広がるばかり。


バート・バカラックが大ヒットしていたころは、新曲を出す時に最初から「大人向けの音楽」を志向して市場に出して、大人にも若者にもヒットした、幸せな時代だったんだなあ。




Seal - Walk On By (Video)




バート・バカラック: 遥かなる影/Close To You[ナクソス・クラシック・キュレーション #特別編:バレンタイン]


バート・バカラックの音楽の魅力って、大胆な転調や変拍子を駆使した、


ルンルンを買っておうちに帰るときの足取りを音楽にしたような、天に昇る高揚感、浮遊感のあるコード進行のシティポップだと思います。


音楽的に高度な技巧が凝らされているのに、「これが都会の洗練だ!」という尖ったところがなくて、


どことなく気が利いていて、親しみやすくて。


芹香斗亜さんの小粋な芸風に、バート・バカラックというチョイスはぴったりですね。



ゴールドのストライプを基調にした、ニューヨークのジャズバーの内装のようなゴージャスなセットに、


アンコールの、繊細な装飾が施された、レースたっぷりのマカロンのパッケージみたいな変わり燕尾も綺麗でした。



トークもさすが関西人、ダレずにテンポよく進行し、オチにはコーラスメンバーによる、芹香さんへの”ハッピーバースデー”生演奏で サプライズ!のはずが、


絶対間違えたらアカン格付けチェック! 


ジェンヌと宝塚ニューサウンズによる”ハッピーバースデー”生演奏聞き比べ


なんでやねん!




いやーっ、配信代3,000円を払って見る価値のあるプログラムでした。