宝塚も...劇団四季のセキララな台所事情と苦闘、配信で稼ぐ道
”舞台だけ”にこだわった四季の転機
もうすぐ東京宝塚劇場が再開ですね。
クローズアップ現代で、劇団四季の再開に向けての苦闘が紹介されていました。
創業者の浅利慶太氏は役者のチケットノルマや、映像や、グッズ販売や、タレント的なCM契約等で稼ぐことを良しとせず、
「ひたすらに、演劇”だけ”で食っていく」ことに注力してこられました。
出演者にスターを作らず、
面白いかどうか、売れるかどうかわからないオリジナル新作はほとんど作らず
(最近、26年ぶりに新作ファミリーミュージカルを制作)
絶対に面白いに決まっている、(版権のお高い)海外大ヒットミュージカルのロングラン作戦により、
実力主義で抜粋した劇団員が(チケットノルマ無く)メインを張れ、食っていけるモデルを確立しました。
それが今裏目に・・・
↓放送内容の書き起こしが読めます。
吉田智誉樹社長 四季再開の日のあいさつ
「劇団四季は今までもいろんな敵と戦ってまいりました。それは芝居で食うために観客を獲得する戦いだったり、演劇は売れないからアマチュアでもいいんだという、無理解との戦いでもありました。しかし、このコロナという敵はこれまでで最大の敵だと思いますね。とても長かったですけれども、ようやく今日を迎えられた。頑張りましょう。よろしくお願いします。」
日経記事のインタビュー
有料会員向け記事ですので、一部要旨を
・クラウドファンデリングで集まった支援(1億7,000万円)は本当にありがたい。
が、ソーシャルディスタンス状態でチケットを売り切ったとしても、年間の赤字は約80億円。2023年までにコロナ禍以前の状態に戻らないと、運営継続について考えなくてはならない。
・四季が主力にしているブロードウェイミュージカルは、演出変更(ソーシャルディスタンス)や映像配信に厳しい制限がある。海外から演出家が来日できず、新作海外ミュージカルも開けられない。
・これからは四季オリジナルミュージカルの作成に力を入れていく。
「浅利慶太さんは『演劇だけで食う』ことを目標にし、実現した。この事態になって思うのは『だけ』はとらないといけないかもしれない。今までは入場料収入が収益の大半でしたが、プラスアルファを追求する必要がある。パルコ劇場でやられているストリーミング配信による観劇などを、我々も考えていかないといけない。
苦しくとも創作にかけるコストは切りません。この部分はペースアップしていく。多様な収益構造の実現には、オリジナルが一番いい」
自前で傑作コンテンツが作れたら最強
劇団四季さんは本当に”演劇そのもの”を売る、”舞台だけで食う”ことをモットーとされてきたのですね。
それが裏目に出て、舞台を開けないと売るものが無い、配信できるコンテンツが無いという事態になってしまった。
そしてチケット売り上げから、世界一版権が高そうなディズニーにいくら払っているのか・・・
宝塚は、劇団も生徒もファンも、なんだかんだ舞台以外にいろいろやっているし(会とか、イメガとか)
キャトルのラインナップを見ていると、系列が百貨店の強みを感じますね。(お菓子セットやら、マスクやら)
年明けに宝塚の理事長が「オリジナル新作の駄作を出さない」決意表明をした時にはちょっと論議になりましたが、
結局四季の社長も同じく、自前で傑作コンテンツが作れたら最強ということをおっしゃっている。
つまり、演劇界最強は、歌舞伎(400年の歴史の中で培われた自前の傑作を多数保有)
配信で新規ファンを取り込むには
SAPAや、壮麗帝や、炎のボレロは著作権は自前だから、円盤や配信を売った分だけ利益になる。
はいからさんの上演&配信は、大和和紀さんへの版権料が発生しますが、ブロードウェイ作品をパッケージで買うのに比べたら割安でしょう。
(2.5次元界隈で、マンガ原作の舞台化は、「マンガ単行本の宣伝にもなるから、舞台化の権利自体はけっこうリーズナブル」と聞いたことがある)
なにより、これからは「実際の宝塚の舞台を見たことはないけれど、配信で初めて宝塚を見てファンになりました」層を発掘せねばならない時代。
これから、はいからさんのムラ楽と東京宝塚劇場の大楽も配信するでしょうから、原作ファンにも配信で宝塚に触れていただきたい!
が、原作のファン層って、ネット配信にお金を払うことに馴染みが無い、ハードルが高い方も多そう・・
ネット配信が当たり前の環境にいる、「少年ジャンプ世代」「2・5次元オタ」を取り込みたいねえ・・・
柚香&華で、現代版ガラスの仮面「アクタージュ」はいかが?
「アクタージュ act-age」とは
2018年より週刊少年ジャンプで連載を開始。
主人公・夜凪景が役者として見いだされ、芝居に奮闘する様を描く役者漫画。
累計発行部数は300万部を超え、映画・演劇界からの評価も高い。
少年ジャンプで連載中の、現代版ガラスの仮面、「アクタージュ act-age」
憑依型の役者コンビの柚香&華さんにぴったり、演劇界へのアピールにもなりそう!
長くなってまいりましたので、アクタージュのお話は機会があればまた。