「遠征代返せ」「代役でやれ」はどこまで可能か
宝塚花組公演が休演しておりますね。年に2~3回しか遠征しない管理人ですが、2020年以来、4回もチケットを手配するも中止、という事態を経験しております。
幸運にも?遠征して劇場前で「当日公演中止」を知る、という機会は無かったのですが、
「遠征民はチケット代以外に交通費、宿泊費もかかったんだぞ!弁償して!」
と言いたくもなりますよね。
宝塚歌劇Webチケットサービスの「利用規約」に
第 8 条:(公演の中止)
天災地変等の不可抗力、出演者の感染症・急病・ケガ、行政からの要請、阪急電鉄および公演会場の事情等により、公演を中止した場合、期間及び方法を定めて、当該中止された公演のチケットに限り、払い戻しを実施します。
但し、払い戻しの期間を過ぎた場合、またはチケットを紛失・破損し、もしくは甚だしく汚損し判読しがたい場合には、一切払い戻しはいたしません。
また、公演中止の理由の如何を問わず、チケットの購入金額以外の費用(手数料、交通費、宿泊費、通信費を含みますが、これらに限りません)は、お支払いいたしません。
と明示されており、規約を読んでいようがいまいが、チケットの購入金額以外の費用の返金は無い、とアタマで理解はしております。
が、
帝国劇場の『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』の公演中止騒動では、
公演中止発表以前にご手配済の交通費および宿泊費のキャンセル料、またはキャンセルが叶わなかったお客様は交通費および1公演日につき1泊分の宿泊費を、弊社で負担をさせていただきます。
という発表がされましたので、
「グループ企業の東宝で、交通費および宿泊費の弁償をしたじゃない!」
と思ってしまいますよね…
せめて代役公演はできないものか?それならまだ
「レアな公演を見られた!」
と思うファンもいるだろうと思いますが、
代役公演の壁は
「あらかじめ代役が割り振られていましたが、セリフや歌唱を覚えきっていません!すみません!」
では無く、
「労災事故防止」
なのだと思います。
帝劇「ジョジョ」の公演中止についての記事によりますと、
演出上危険が伴うのは舞台装置の利用である。
大劇場の装置は大掛かりで、帝劇の場合、直径16メートルほどの廻り舞台があり、その中には大小4つのセリ(役者や大道具などの昇降装置)がある。
構造物としては高さ22メートル、地上1階から地下6階までを貫くという。
ここ10年ほどでも大きな事故が起きている。
2017年10月に新橋演舞場での「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」に出演していた市川猿之助が花道にある“すっぽん”と呼ばれるセリで姿を消す瞬間に衣装の左袖が装置に巻き込まれ、骨が皮膚を突き破る左腕開放骨折の重傷を負った。
2012年8月には市川染五郎(現・松本幸四郎)が国立劇場での舞踊公演中にセリから約3メートル下の奈落に転落し、右側頭部等を強打した。
かなり出血し、最悪の事態を覚悟したほどだったという。
舞台でセリフが飛ぼうが、歌詞を間違えようが、公演中に人身事故が起きた時の「取り返しのつかなさ」に比べたらいかほどのものか。
ただ、やっぱりこちらも「客」ですので、次回公演のチケットの優先購入の権利ですとか、せめてライブ配信の無料視聴クーポンコードとかを検討していただけるなら、心の傷も少しは癒えそうですけれども。