宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

聖乃蘭丸って「ヒロインを応援するオネエの親友」枠を超えているよね


聖乃さん演じる蘭丸くん、いい味をだしていますよね。


あの役柄、ハリウッド映画のラブコメだと、ヒロインの恋路を応援するやたら陽気なオネエ枠💦だよね



なぜこの「ゲイの親友キャラ」が批判されるのかというと、このキャラは自分自身の人生とか内面を持つことを一切、許されていないからです。


何の仕事をしているのかとか、人生でどういう問題を抱えているのかとか、そういったことが全然描かれず、異性愛者のキュートなヒロインのことを無条件で愛して助けてくれます。


観客の同性愛嫌悪を刺激しないよう、性生活についてはほとんど触れられません。


さらにたいがいは「ゲイの男性は美的感覚が優れていてオシャレだ」というステレオタイプも絡んでおり、ヒロインの着るものとか髪型とかを決めるのにアドバイスをしてくれます。

そうそう。ハリウッド映画のラブコメで、なぜかしらんヒロインの恋路を全力で応援してくれて、


ドジなヒロインがダサいカッコしているのを、ファッションチェックしておしゃれに変身させる、やたら陽気なオネエ!


一昔前のラブコメだと、その手のオネエは普段何をしているのか、職業とか内面とかよくわからない、賑やかしのためにおるんかい!なキャラになりがちなのよねえ。


日本の芸能界に昔からいらっしゃるオネエの方々の芸風も、ひょっとしたら視聴者が求めるステレオタイプなオネエ像に、あえて寄せているのかな?と思うところもある(もうこれは視聴者にはわからないけれど)



で、蘭丸ですよ。


ヒロインの幼馴染の歌舞伎の女方、という設定にして、紅緒への恋心や、女性らしさにこだわることも仕事への矜持として無理なくコミカルに表現し、


第2幕の紅緒と少尉の再会のきっかけに日本舞踊で協力する、作品世界に血の通ったキャラとして存在していて、


70年代の作品ですが、今見ても上手いなあ、と思いました。

10日アクリルカード再販売!使い方アイデアもご紹介!


やっほー紅子でーす。


前回あっという間に完売しちゃったアクリルカード、11月10日(火)全種類再販決定!




キャトルレーヴオンラインでは、2020年11月10日(火)10時より再販売致します。

※お一人様3点までのご購入とさせていただきます。あらかじめご了承ください。

前回買い逃した方も、


贔屓が多すぎて「お1人様3点まで」では全然足りなかったあなたも、


お忘れなく💛



え、何に使うのかって?


フレームの内側がクリアなので、好きな場所を背景にスターとの記念撮影が楽しめます♪

ほかにも、クリアな部分に💭ふせんを貼って、ToDoリストやお買い物リストを書き込むとあら不思議。


上司や家族からの頼まれごとは「あーめんどくせえ めんどくせえ」と思う時があっても、贔屓の頼みなら



「ママ、来週の月曜日までに、図工の材料のラップの芯と、ベルマークも集めておいて」


「メモメモ・・・月曜日、ベルマーク   あなたとご一緒なら、どこへでも💛」


「?」


と、面白き ことも無き世を 面白く 過ごせるかもしれなくってよ♪



祝『アナスタシア』初日革命で宝塚にバレエとモロゾフがやってきた


歴史認識は時代により変わる


歴史についての認識、例えば「そういえばフランス革命ってなんだったんだ」という認識は時代の変化につれて大きく変化しており、


宝塚でも「スカーレット・ピンパーネル」初演の時、小池修一郎先生は


「宝塚でフランス革命といえば、オスカルが命を賭して戦った「自由・平等・博愛、革命ばんざい!」なのに、


革命の悲惨な現実、ロベスピエール独裁となったフランスを茶化すような作品は宝塚ファンに受け入れられるのだろうか?


と不安で夜も寝られなかったそうです。


ところが「スカーレット・ピンパーネル」は大好評、今では宝塚の大切なレパートリーになったわけで、


宝塚ファン(日本人)のフランス革命観も時代によって変わってきた、ということでしょう。


と思っていたら、ついには宝塚でロベスピエール本人を主役にした芝居をやるんだから、


思えば遠くへきたもんだ。


ロシア革命ってなんだったんだ

ウエクミ先生は「世界史のできごと○○周年」がお好きなようで、『フォルテッシモ』は本来ヴェートーヴェン生誕250周年の2020年に上演するはずでしたし、


「神々の土地」が上演された2017年は、「ロシア革命100周年」でした。


同じく宙組で、ロシア革命103周年の11月7日、『アナスタシア』初演、という奇遇であります。


ところで、「ロシア革命」ってなんだったんでしょうね。


ロシア革命について共産党が語る


 ロシア革命が起きた20世紀初めの世界は「資本主義が世界を支配する唯一の体制とされた時代」(日本共産党綱領)でした。世界中の圧倒的地域を植民地として支配していた英、仏、独、露などの「列強」は、その再分割をめぐって、第1次世界大戦(1914~18年)を引き起こしました。


 こうしたなか、皇帝(ツァーリ)による専制体制が敷かれていたロシアでは、「平和とパン」を求める国民の要求が高まり、1917年3月(旧暦2月)、首都ペトログラード(現サンクトペテルブルク)で労働者のストとデモが起き、これをきっかけに帝政が崩壊、臨時政府が樹立されました(「二月革命」)。


 しかし、臨時政府は戦争を継続したため、即時講和・食糧・土地を求める労働者・農民の運動の高まりの中で、レーニン(1870~1924年)が率いるボリシェビキ(ロシア社会民主労働党内の革命派)の指導のもとで労働者・兵士らが11月7日(旧暦10月)、武装蜂起して臨時政府を打倒。労働者・兵士・農民ソビエト(ロシア語で「会議」の意)が権力を握りました。


 「十月革命」によって、人類の歴史ではじめて資本主義から離脱して社会主義への道に踏み出そうという試みが始まりました。

日本共産党によると、その後のレーニンは偉大であった、全部スターリンが悪い!的なスタンスらしい・・・


管理人は共産党員ではありませんし、宝塚版で政治の話をする気はありませんが、


ロシア革命からのソビエト時代は、内戦と飢餓と粛清(処刑と強制労働による実質死刑)により、凄まじい数の犠牲者(数百万人とも数千万人とも)を出しました。アナスタシア一家の悲劇さえ、数ある悲惨のほんの一例であった。


ソ連崩壊をリアルタイムで見ていた管理人の記憶では、当時は「ロシア革命」とは「壮大な社会実験の壮大な失敗に終わった」という意見が多かった記憶があります。


プーチン政権が、政府主催のロシア革命100周年記念行事を行わなかった、ということが、今のロシアによるロシア革命への評価なのでしょう。




1960年代にロシア革命をフランス革命と並ぶ歴史的革命だと教科書で学んだ旧い世代、そして自由の結果である貧困に苦しむ人々は、今のところこの劇的な解釈の変化にため息をつくしかない。


もちろん歴史は後世、いや後世に支配権を握ったものが決める。だから、もう一度もとの解釈が復活する可能性はある。


実はフランス革命がナポレオンの敗北によって終焉を迎えたころ、フランス革命の解釈は大きく変化した。王政復古の勢いを借りて、フランス革命は不幸な暴徒による革命となり、とりわけロベスピエールがその不幸の象徴となったのである。


しかし、1830年7月革命によって、また形勢は逆転する。その後に続く革命の結果、フランス革命=ブルジョワ革命説が定着するのである。


宝塚歌劇及び神戸らしさを語るうえで欠かせないものと、ロシア革命とは意外な関係があったらしい。


澤田氏によれば、白系ロシア人が生計を立てる手段としては、まず羅紗(らしゃ)や洋服の行商があった。和服から洋服へ日本人の普段着が移行するにあたって、白系ロシア人はこれを促進した。バレエ、ピアノ、バイオリンを教えて優れた弟子を育てたのも彼らだ。


エリアナ・パヴロワは、日本バレエの母とも言われている。1913年に開校したばかりの宝塚音楽学校で、ダンスや歌の教鞭をとった人もいた。


スポーツ界では日本で初めての外国出身プロ野球選手となったヴィクトル・スタルヒン、製菓業界では高級チョコレートを日本にもたらしたフョードルとヴァレンチンのモロゾフ父子やマカール・ゴンチャロフといった人々が有名である。


宝塚大劇場のお土産の定番のゴンチャロフ。ゴンチャロフ氏は、ロマノフ王朝の宮廷菓子職人だったとか。アナスタシアもゴンチャロフの作ったお菓子を食べたのかもしれませんね。


小林一三氏、宝塚音楽学校の講師に本物の西洋を知るロシア人を招聘していたんですね・・・その土台があったから「モン・パリ」をやれたんだなあ。


他にも、管理人の永遠の憧れ、SKD(松竹歌劇団)のスタア、水の江瀧子さん(通称ターキー)



↑この衣装、戦前の制作だけどすごく「シュッ」としてるでしょ♪


ターキー、帝国ホテルで亡命ロシア人が開業していた仕立て屋で、燕尾を作らせたそうです。

↑ターキーについてはこちら

実は歌舞伎にもロシア革命の影響が


バレエ『瀕死の白鳥』
マイヤ・プリセツカヤさんは「王家に捧ぐ歌」初演で振付を担当されました。



Maya Plisetskaya - Saint-Saëns - The Dying Swan



大正時代、ロシアから亡命したバレリーナが日本でバレエ公演を行い、衝撃を与えました。


その結果、歌舞伎の舞踊が



坂東玉三郎、世界中で大絶賛の伝説の舞台!シネマ歌舞伎『鷺娘/日高川入相花王』予告編


舞踊「鷺娘」は江戸時代からある演目ですが、明治時代までは踊りのラストは伝統的ないわゆる見得をきって幕、だったのが、


大正時代、バレエが日本に紹介されて後は、白鷺が雪の中静かに死にゆく演出に変わったそうで。


こんなところにも、革命で追われたロシア人亡命者の残した足跡があるんですね。

アニメ『はいからさん』8日BS12で放映。鬼島の馬賊時代が見られるよ!


御機嫌いか~が 紅子で~す。


花組版の公演千秋楽に合わせるように、劇場版「はいからさんが通る」もBS12で放送決定!スカステ民ならたいてい無料で見られるよ!



 

BS12トゥエルビでは、2020年10月から毎週日曜の夜19:00~に「日曜アニメ劇場」をスタートさせています。11月8日(日)は『はいからさんが通る 前編』、11月15日(日)は『はいからさんが通る 後編』を2週連続でオンエアします。


1978年版 宝塚版フィナーレのラインダンスの音楽

『はいからさんが通る』Blu-ray&DVD BOX


2017年版

映画『 劇場版 はいからさんが通る 前編』パッケージ情報&後編先行カット入り動画



絵柄の違いに、40年の時代の流れを感じるわあ・・・


この手のリメイクものは、当時をリアルタイムで知るファンから「当時と絵柄が違う」と文句が出るのがお約束なんだけど・・・


鬼滅の刃のようなクオリティーの作画が標準になった今、1978年当時の絵柄で制作しても、今の時代のアニメファンには響きにくいだろうし、


リメイク版映画や、宝塚舞台版で初めて「はいからさんが通る」に触れて興味を持ってもらうことで、作品そのものの生命が伸びると思うので、これはこれでアリと思うわ。


昭和のTVアニメ版では描かれなかった、鬼島軍曹の満州での活躍や関東大震災のくだりまで描かれているので、


ご興味のある方、宝塚版と見比べてみてはいかがでしょう。




アニメ『アナスタシア』Disney+ で配信開始!予習にいかがでしょう


アニメ『アナスタシア』Disney+ で配信開始!



『ムーラン』をきっかけにDisney+に加入した宝塚ファンの皆様、宝塚版の予習にいかがでしょう?


グレブがいなかったり、ラスプーチンが魔法使いだったり、ミュージカル版や「神々の土地」とはまた世界観の違った作品です。


20世紀FOXの制作ですが、ぱっと見の絵柄がディズニーそっくりなのは、アニメ監督が元々ディズニーで作画監督として修業を積んだ方なので


・・・で、長くレンタルショップでもしれっとディズニーの棚に陳列されていたりしました💦


ミュージカル『アナスタシア』の元ネタ


20th Anniversary "Journey To The Past" Performance | ANASTASIA The Musical
↑アニメ公開20周年記念で、アニメとミュージカル版実写アナスタシアがコラボしています。


ミュージカル「アナスタシア」は1997年公開のアニメーション映画「アナスタシア」に着想を得て制作されました。


1997年版のアニメーション映画も、公開当時は1956年の映画「 Anastasia」(邦題は「追想」の「リメイク」として宣伝されました。(製作はどちらも20世紀FOX)


あ、今はディズニー版権になっていますね。(ディズニーが20世紀FOXを買収した為)


追想 [AmazonDVDコレクション]
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ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
DVD


配信はこちらから。(英語版なので注意💦)予告編がご覧になれます↓


アナスタシア役は「カサブランカ」「誰が為に鐘は鳴る」など、宝塚でもおなじみの名作のヒロインを務めたイングリッド・バーグマン(この作品で2度目のアカデミー主演女優賞を受賞)


1915年スウェーデン生まれ、王立ドラマ劇場付属の演劇学校で学んだイングリッド・バーグマンは、撮影当時40歳!アニメやミュージカル版の年齢設定よりはだいぶ上なのですが💦


バーグマンの体現する、古き良き欧州の上流階級の方の立ち居振る舞い、気品、香気。


育った時代が違いますからね。今の時代のハリウッド女優で、この”やんごとなさ”を出せる方はいるかしら。


詐欺師の青年役は「王様と私」の王様役を当たり役として4633回演じた、名優ユル・ブリンナー。スキンヘッドと顔面のクセがすごくて・・・千鳥も圧に負けそう。


1950年代の銀幕のスタアが宝塚の男役芸・娘役芸のルーツ?

『カサブランカ』や『追想』のような、夢のような銀幕のスタア達の演技スタイルは、1960年代になると「アメリカン・ニューシネマ」と呼ばれるリアル路線に押され、「過去のスタイル」となっていきます。


春日野八千代さんは、戦前の少女歌劇レビューの夢のように甘い男役像から脱却し、戦後の新しい男役スタイル、菊田一夫脚本を演じられる骨太な男役像を確立しようと模索してたそうです。パリレビューの「紳士S」のキャラのままでは、リアルなお芝居はできませんからね。


で、春日野さんが参考にされたのが、1950年代の映画の銀幕のスタア達。


個人的には、『カサブランカ』や『追想』の頃のハリウッドの演技スタイルが、戦後、現代まで繋がる宝塚的男役芝居・娘役芝居の「型」の源流かもしれないと思っています。


宝塚という所は、古き良きパリレビューとか、銀幕のスタアとか、本国でも主流ではなくなったスタイルが、生きたスタイルとして日々演じられてファンをときめかせる、正倉院のような場所だなあ。



秋の長夜、アニメ版、映画版で舞台の予習はいかがでしょう。