宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

「宝塚!よいご趣味ですね」褒め?実は嫌み?



初対面の方:こんちゃんさんの趣味は何ですか?


管理人:宝塚です。


初対面の方:宝塚!良いご趣味ですね!



20世紀の頃は「宝塚ファンです」と言うと「女性なのに女性が好きなんですか?」と聞かれたものですが、さすがに最近は言われなくなりました。


まあ、”良いご趣味ですね”とは大人の社交辞令とわかっています。


でも「家でTVドラマを見るのが趣味です」と言っても、”良いご趣味ですね”とはあんまり言われないんですよねえ。



”良い趣味”って何だ?


「宝塚!良いご趣味ですね!」の真意は?


仮説1 宝塚ってお金がかかる趣味なんでしょう?と暗に言いたい


ファンになってしまうと、舞台鑑賞は日常の一部でしょうが、都市部はともかく地方では、生の舞台に一生で一度も触れたことが無い方もたくさんいます。


宝塚の全ツの公演は、4年に1度、1日のみ。それ以外で宝塚の舞台を生で見たければ、すべて遠征。


(首都圏&関西圏にお住まいの宝塚ファンの皆さま、この状況、耐えられます?)


普段舞台を見たことが無いと、チケット価格の相場もよくわかりません。


実現しなかったけれど、2020年に予定されていたミラノ・スカラ座来日公演のチケットは、S席¥69,000の予定だったんですよね。


何年かに一度の海外からの引っ越し公演で、毎日上演するわけでもなく、後援企業がお得意様をご招待することもあるでしょうし、宝塚と比べるものでもないですが、


こういう極端な例が、ワイドショーなどでネタになるんですよねえ。新国立劇場の日本人キャストの公演に行くオペラファンの話とかはあまりネタになりませんし。


TVで宝塚ファンの実態に迫る、となると、昔会に入っていたようなディープなファンが、いかに贔屓にお金と時間を使ったか自慢、みたいなところが取り上げられますし。


マスコミには無暗に「宝塚ファンになるとお金がかかる」というイメージを刷り込まないでいただきたい。


ジャニーズのコンサートチケットの定価は一枚7,000円~9,000円。宝塚のチケットの価格とさほど変わりません。

宝塚の舞台を見にいくこと自体は、好きなアーティストのコンサートに行くこととさして変わらない庶民の娯楽である。


まあ、1年のうち300日もコンサートを開催するアーティストはいませんが、宝塚は1年中やっているし、お金をかけようと思えば天井知らずですが、そこは他の趣味も一緒でしょう。趣味をそれなりにやるとなれば、月に5,000円~1万円くらいかかるのは普通でしょうし。


地方民にとっても最近はライビュに加えて配信が増えて、コロナ禍以前よりあきらかに宝塚への出費は増えましたが、月に1万円は超えても2万円はいかないので、交通費とか出先での飲食費を思えば、こんなもんかな。


まとめ:宝塚は庶民でも十分楽しめるよ


仮説2 オペラとか歌舞伎とか宝塚ファンとか、高尚なご趣味ですねと暗に言いたい


宝塚が「100年以上の歴史を持つ歌劇団」としてオリンピックの式典の君が代斉唱に呼んでいただけて、正装のジェンヌさん達を見たSNSの反応も「これぞ日本の美しき伝統!」などと好意的なものが多くて、宝塚ファンとしては嬉しかったです。


が、宝塚ファンのほとんどは「高尚なワタクシの演出の為」に宝塚を趣味にしているわけでは無い!


たぶんオペラファンも歌舞伎ファンも同じだと思いますが、文化芸術を支えるためというより、もっと血走った目で贔屓を見ていると思う(笑)


まとめ:芸術とは血走った目


「よい趣味」とは「慎ましやかに美を極める心」



しゅ‐み【趣味】

1 仕事・職業としてでなく、個人が楽しみとしてしている事柄。「趣味は読書です」「趣味と実益を兼ねる」「多趣味」


2 どういうものに美しさやおもしろさを感じるかという、その人の感覚のあり方。好みの傾向。「趣味の悪い飾り付け」「少女趣味」


3 物事のもっている味わい。おもむき。情趣。

「さびた眺望ながめで、また一種の—が有る」〈二葉亭・浮雲〉


日本語での「趣味」は、ほぼ「好み」と等しく、そこから主たる二つの意味が分かれてくる。


その第一は、特定の活動に対する個人的な嗜好(しこう)であり、「私の趣味は音楽鑑賞です」というような場合がこれにあたる。


第二は、客観的に好ましいと判定されるようなものを現に好む審美眼のことで、とくに「よい趣味」と形容されることが多い。


「趣味」の意味の中で「審美眼」というニュアンスに注目すると、


「宝塚が御趣味とは、あなたは美を求める心があるのですね」という意味で


「よい趣味ですね」


確かに、宝塚を語ること、贔屓を語ることは、「自分は何を好ましい、美しいと思うのか」と、自分の美意識を考えることに繋がりますね。


まとめ:最近話題の極美慎さんは、芸名で「宝塚とは何か」を3文字で語っているのですね。ほんとうに凄いネーミングセンスだと思います。