柚香光サヨナラショーを見た
花組公演『アルカンシェル』の、宝塚大劇場千秋楽のライブ配信を視聴いたしました。
いやーっ、柚香光は、大日本帝国のカーキ色の陸軍の軍服を着て、なんであんなにカッコイイのか。
『アルカンシェル』の舞台には、ヒューゴ・ボスがデザインした、ナチス時代のドイツの軍服を着たジェンヌたちが闊歩しておりました。
ヒューゴ・ボスによる軍服のデザインについて、軽々しく発言することは差し控えさせていただきますが・・・
ヒトラーは、外観がどれだけ心情に影響するか理解してたんだろうな。
大日本帝国の軍服、特に陸軍の、カーキ色の「アレ」と比べたら、雲泥の差ですよねえ。
あのカーキ色は中国東北部の大地での戦闘に対応した保護色で、動きやすさ重視でだぼっとして、スマートさとかデザイン性とかをほとんど考えていない服装だと思うのですが、
ほんと、柚香光は、大日本帝国のだっさいカーキ色の軍服を着て、なんであんなにカッコイイのか。
そもそも、私はなぜ、軍服を見て胸が疼くのか。
軍服のデザインのディテールには機能性が追及されていて、機能とは「軍隊が勝つ」ためのもので、勝つために行われることは・・・
軍服のデザインがまとった血の匂いが、見る者の神経をぞわぞわさせるのでしょうか。
柚香光が宝塚大劇場のラストの衣装に選んだ黒燕尾にも、軍服のような「ぞわぞわ」した妖しさが満ちていました。
燕尾服の起源は欧州の宮廷服で、さらにその前身は、騎兵がまとったコート「カザック」だそうです。
前丈が短く、背後の下部を燕の尾のように割って長く垂らしているのは、馬に乗って戦うという、ミリタリーな目的に沿ったデザインだそうです。
燕尾服って、男役の戦闘服だったんだな。
身にまとうファッションの、デザイン性の根源を見る者に知らしめる柚香光。
パリコレモデルクラスの、ファッショナブル帝国のトップに君臨するジェンヌだったと思います。