宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

路線に乗るためには何が必要か



レクザムホール(香川県県民ホール)にて、第18回ショパン国際ピアノコンクール第4位入賞、同コンクールで2位に入賞反田恭平氏とそのご結婚され、出産後演奏活動に復帰された小林愛実さんのピアノ・リサイタルを鑑賞しました。




AIMI KOBAYASHI – second round (18th Chopin Competition, Warsaw)




◆プログラム


第1幕


シューベルト


即興曲集D935 op.142


ー休憩ー


第2幕


ショパン


ポロネーズ第7番 変イ長調「幻想」op.61


即興曲 第3番 変ト長調 op.51


幻想即興曲 嬰ハ短調 op.66


アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ op.22



アンコール:「別れの曲」(練習曲作品10第3番ホ長調)



第1幕のシューベルトの曲の演奏を聴いているときは、穏やかで品行方正なシューベルトの楽曲を、女学生のお喋りのように溌溂と展開してくさまを聞きほれておりました。


正直、ちらっと「優等生的な演奏だなあ」と思ったり。



休憩後、ポロネーズ第7番 変イ長調「幻想」op.61の第1音が鳴り響いた瞬間、旋律が走りました。


ゆるやかな旋律で歌うように演奏するのはよく聞きますが、ショパンの容赦ない「速弾き」のフレーズで、1音なりともなおざりにせず、すべての音符がセリフのように意味を持って奏でられるので、


ピアノ1台で、オーケストラをバックに望海風斗が歌い上げているような熱量を感じました。


世界で活躍するレベルのピアニストとなると、


シューベルトを弾くと当たり前に上手く、


得意分野であるショパンを弾くとべらぼうに上手い。



私は普段地方住まいで、クラシックのコンサートなんて、地元出身の音大卒のピアニストが


モーツァルトも、ベートーヴェンも、ショパンも、ディズニーも、ジブリも何でも弾きます!


という幕の内弁当なコンサートしか体験していなかったので、


「上手い人は何を弾いても上手い」


としか思っていませんでした。



小林愛実さんは、凄まじく基礎レベルが高い世界にあって、そのうえで自身のショパン弾きの適性を見極め、有利に戦える土俵を見極めて勝負し、結果を出してきた。


路線に乗るためには、戦略が大切。どこの世界も同じなのですね。