宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

『LUPIN~』配信感想 真風涼帆あっさり女に



土曜日は遠征して花組『アルカンシェル』を観劇、日曜日は配信でミュージカル版『LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』を視聴と、小池修一郎ワールドに浸っておりました。



ミュージカル・ピカレスク『LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』プロモーション映像


配信日のキャストは、若き日のアルセーヌ・ルパンは古川雄大、ルパンに至高の快楽と地獄を教えてあげる120歳の美魔女カリオストロ伯爵夫人に真風涼帆。


『アルカンシェル』は、90分で済む話を2時間10分に引き延ばした感がありましたが、


『LUPIN』は真風が男装して真彩希帆をさらって行ったり、ドレス姿の真風とホームズとの絡みなど、サービス場面はいろいろあるものの...


訳ありげな人物が次々出て来てくるが、肝心の物語の方向性がなかなか見えず、第2幕の半ばまでだいぶ冗長に感じました。


モーリス・ルブランの原作のうち、本作のベースとなる「七本枝の燭台 」の謎や、ルパンの最初の妻となるクラリス(真彩)や敵役ボーマニャン(立石俊樹木)のキャラは『カリオストロ伯爵夫人』から、


コナンっぽい少年探偵(加藤清史郎)や、何しに来たのかよくわからないへっぽこホームズ(小西遼生)ネタは『奇巌城』から、


カリオストロ伯爵夫人の男装ネタは、潤花が演じていたアイリーン・アドラーの原作での特技から?


複数のそれぞれけっこうなボリュームがある原作から、いろいろネタを引っ張ってきているようですが、交通整理がうまくいかずにもたついていた印象です。


原作では、クラリスは赤ちゃんを産んだのち早世し、ルパンはカリオストロ伯爵夫人と因縁の再開を果たすので、ひょっとしたら続編があるかもしれません(カーテンコールで古川さんがちょっと匂わせ発言をしていました。)


カリオストロ伯爵夫人の真風涼帆は、声はまだだいぶ低いのですが、タキシードでもドレス姿でも仕草が優雅で、彼女が長い腕をくねらせるたびに画面越しに香水の匂いがふわぁと漂う、艶やかな姉御っぷり。


「ルパン一世」に対する「初代・峰不二子」感があってよかったです。


本格ミュージカル路線は厳しいでしょうが、舞台界に清純派は多いけれど、クラシカルなファム・ファタール系の色香漂う女優は今や希少なのでは?


翻訳舞台、例えばアガサクリスティーもの舞台で犯人役の曲者マダム系など、需要があるのでは?と思いました(贔屓目かもしれない自覚はあります。)