宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

星風まどか「本当の自分」を探す旅 アナスタシアポスター

アナスタシアのポスターが出ましたね

私は本物?

「アナスタシア」って、不思議な構造のお話なんですよ。史実ではアナスタシアは17歳の若さで処刑されたのですが、直後から「我こそはアナスタシア」という人物がワラワラ現れました。


結局21世紀になって、DNA鑑定により彼女たちはみんな偽物だったと判明したのですが、このお話ではアナスタシア本人は生きていて、記憶喪失になっている。アナスタシアの記憶を辿る自分探しのお話です。


星風さんに望むもの

私は星風さんの実力に何の不満もございません。だけど・・・


「異人たちのルネサンスーダ・ヴィンチが書いた記憶―」というお芝居で星風さんが演じたカタリナって、ダ・ヴィンチのスケッチに大切な何かが留められて、当の本人から何かが抜けて、1.2流の画家が描いた絵姿が歩いているみたいな、不思議な印象だったんですよ。

アナスタシアと称する女性が、偽物であったらともかく、本物であったとしたら、そして『私は私である』ということを世界中の誰も認めないとしたら……これほど悩ましい悲劇はちょっとあるまい」(山田風太郎「人間臨終図鑑」)

これだ。星風さんってあまりにもよくできたお嫁さんすぎて、この「私は私である」感が足りない気がする。


そんな星風さんが、FLYING SAPA 、アナスタシアと2作続けて「記憶を探す女」「私は私であることを証明する女」を演じるというのが興味深いです。


星風さんが、あとどれだけの期間タカラジェンヌでいられるのかはわかりません。私はまだ満足していないぞ。あなたはもっと高みにいけると信じています。


ウエクミ先生、ご指導のほどよろしくお願いします。