宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

愛の「死」トート閣下がロミオとジュリエットの世界に殴り込むのね(←違う)


飛ぶがいい♪
誰だ?
カモメよ♪
お前は!
嵐の夜もそばにいよう♪
俺はもう一人で飛べる コドモじゃないんだ♪


残業中に役替わりニュースを知ってから、この歌が脳裏を・・・仕事がはかどらなかったじゃない!



ヴェローナ大公  輝咲 玲央/遥斗 勇帆

キャピュレット夫人  夢妃 杏瑠

ティボルト  愛月 ひかる/瀬央 ゆりあ

死  愛月 ひかる/天華 えま

ベンヴォーリオ  瀬央 ゆりあ/綺城 ひか理

パリス  綺城 ひか理/極美 慎

乳母  有沙 瞳

マーキューシオ  天華 えま/極美 慎

愛  希沙 薫/碧海 さりお

いやーっ、愛さんがティボルト固定か、さもなくば役替わりとは思っていましたが、ベンヴォーリオ?マキューシオ?うーんと思っていたら


まさかの「死」!


いやーっ、私真風氏の当たり役(代表作という意味とはまた別に)筆頭は「死」だと思っているんですけれど、愛さんの「死」も当たり役になりそう。

メメント・モリ(死を思え)

小池修一郎氏がフランス初演版には無い「愛」という役を増やしたのは有名な話ですが、そもそもシェイクスピアの原作に「死」という「役」もおりません。


でもシェイクスピアの原作中に「死」というワードは頻繁に出てきます。ロミオもジュリエットも出会いから死まで4日ほど、死に物狂いで生き急いでいるような急展開。


そもそも中世ヨーロッパは医療の未発達、戦争、貧困、ペストが大流行し、死は老人や貧困層のみならず、若者にも金持ちにも、等しく身近なものでした。


そんな中、流行した言葉が「メメント・モリ(死を思え)」


これは暗い意味合いばかりではなく、死を思うことは、充実した生命(愛)と表裏一体でもあり、


いつ死ぬかわからない激しい時代に生きていればこそ、暗い「死」を背景に、生命(愛)は強烈に輝く。


seize the day(その日を摘め。今を生きろ。真風氏のグッズにかかれているあれ)


で、小池先生、ねえ。ロミジュリ初演の時の、礼さんの「愛」と真風氏の「死」のアレゴリー(寓意)の強烈な印象がですねえ、再演を重ねるうちにだんだん薄れてきて、「主役のバックダンサー」的になってきた気がしておりまして(私が見過ぎたせいかもしれないけれど)


久々の再演、しかも愛さんが「死」ですよう。あの初演真風氏の「死」の衝撃を、もう一度味わいたいのでございますよ。演出、期待しておりますわよ。