宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

真のスパイになれなかったマタ・ハリが「伝説の女スパイ」となった皮肉


ワイルドホーンさん、太っ腹!






ミュージカル『マタ・ハリ』2021年公演_舞台映像 6月~7月 東京・愛知・大阪にて上演!☆ライブ配信有





【配信日程】

[1] 6/26(土) 17:00公演

マタ・ハリ:柚希礼音/ラドゥー:加藤和樹/アルマン:三浦涼介


[2] 6/27(日) 12:00公演

マタ・ハリ:愛希れいか/ラドゥー:田代万里生/アルマン:東啓介




第一次世界大戦中にドイツのスパイとして活躍した女性。マタハリ(マレーに特有な呼称で太陽とか曙光(しょこう)という意味)はインド舞踊のダンサーとしてデビューしたときからの芸名で、本名はマルガレータ・ゲールトライダ・ゼレ。オランダ人。


天性の美貌(びぼう)とヌードに近い踊りで艶名(えんめい)をはせ、大戦前夜のパリで一世を風靡(ふうび)した。フランスの貴族社会、外務省、軍当局、各国大使館首脳らの共通の愛人として、パリの上流社会に自由に出入りできたので、大戦が始まるや、ドイツにねらわれ、そのスパイ網のなかに組み込まれた。


伝説の女スパイ、マタ・ハリの実像は?


日本の元スパイ?元外務省主任分析官が、ロシアのスパイ養成カリキュラムについて語っている記事がありました。





だいたいSVRの出身者は、日本で言うと東京大学に相当するような国際関係大学というところに17歳から入ります。それは普通の大学で、5年間が終わって22歳になると、国内のFSBになるための学校が2年間なのです。


そこで教育を受け、その後対外諜報の専門家になる訓練を3年間受けます。これは変装術、経歴を全部変えてしまう技術、素手で人を殺す技術のようなことを全部やります。暗号、秘密インクの使い方。これは、切手の裏などに貼って通信をするインクです。それとか、コンピュータのなかで普通の写真を送っているようにして、そのなかに暗号情報を隠す技術などを覚えます。そして、それだけで終わりではないのです。


あの人たちは、それ以外に必ずもう1つ完璧にできる職業を身につけるのです。通商代表部は商社ですよね。ソ連時代は商社で、戦後は日本でジェトロのような貿易振興のところをやっているのですが、商社員としてのプロの訓練も受けているはずです。


例えば、ジャーナリストの訓練を受ける人はタス通信社やノーボスチ通信社という会社があるのですが、そこで何年くらい訓練を受けると思いますか?


森田)3年くらい?


佐藤)5年です。それで、記事を書けるようにするのです。



今でもロシアのスパイやら、北朝鮮の工作員のニュースがマスコミを賑わすことがありますが、スパイは名刺に「職業・スパイ」と書く訳はなく、配偶者でも夫(妻)の本職がスパイであるとはつゆ知らず、という世界だそうで。


スパイとして一人前の仕事ができるようになるには、東大に行って優秀な新聞記者や商社マンや研究者になれるほどの能力が必要だということですね。


伝説の女スパイ、マタ・ハリがスパイとして活動したとされるのは、38歳~40歳くらいのころ。


本職のスパイが、世をしのぶ仮の姿としてダンサーに扮していたのではなくて、それまでダンサーをしていた女性を、大戦中に軍部がにわかにスパイに仕立て、「色仕掛けで敵方の要人から機密を聞き出してこい!」


・・・女性の肉体を何だと思っている。


女に機密を聞かれてホイホイしゃべるような奴は、そもそも機密情報に触れられるほど出世しねーよ。


マタ・ハリは、プーチンみたいに13歳のころKGBのサンクトペテルブルグ支部に行って「スパイになりたいです」と相談するような人物ではなく、完全に戦争の犠牲者だと思うのですが、皮肉にもそんな女性が「伝説の女スパイ」として、戦前にも複数回映画化されるほど有名になってしまった。


今回の舞台では、どのようなアプローチで彼女の実像に迫るのでしょうか。