宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

叩き上げの星となれ!102期咲城 けい 新公初主演!







主な配役(新人公演)

ルーチェ・ド・オルゴン  礼 真琴  (咲城 けい)

アンジェリーク  舞空 瞳 ( 詩 ちづる)



『柳生忍法帖』 では、3番手格の漆戸虹七郎を演じた咲城 けい(102期)、新人公演初主演、おめでとうございます!


瀬央 ゆりあの漆戸虹七郎は、領主の側室として差し出された銅伯の娘おゆらに


「なぜ、あの時私を連れて逃げてくれなんだ」


と問われた時の、瞳の優しい揺らぎに、


この人は生まれた立場上、芦名(あしな)一族の再興を目指す銅伯の家臣として悪行に手を染めているが、


世が世なら、正々堂々将軍家剣術指南役の座を争うほどの、十兵衛の良きライバルとなれたであろうに、感がありました。




咲城 けいの漆戸虹七郎は、敗れて支配される側となった芦名一族の、強者に対する弱者の憎悪や復讐衝動などの感情が、内攻的に屈折しているルサンチマン感がありありと感じられ、


支配階級である十兵衛の力強さ、能動的に生を楽しむこと、自己肯定的であることに対して恨みや妬みを抱いているんだろうなあ、と思いました。


側室として嫁いでいくおゆらに


「私を連れて逃げて」


と言われても、


「は?お前は芦名一族の最後の切り札。お前が跡取りを産めば、芦名の血脈が再び会津を支配するんだよ!これは復讐だ!わからねえのか!」


と説教していそう(笑)


ルサンチマン咲城 けいくんが、小生意気なルーチェ・ド・オルゴン役かあ。小生意気で済まないかも(笑)




ヒロインは、『ザ・ジェントル・ライアー ~英国的、紳士と淑女のゲーム~』は公式ヒロイン不在の芝居でしたが、(アーサー)瀬央 ゆりあとラスト結ばれる、メイベル・チルターンを演じた詩 ちづる!


ホントは34歳なのに、29歳とウソをついて夜な夜な遊び歩いている男と、臆せず丁々発止のやりとりができる、20歳そこそこのお嬢さんの役がハマっていましたね。


まあ彼女なら、14歳年の差婚でも、瀬央アーサーを「しつけて」そうだ。こましゃくれルーチェと大いにやりあってください(笑)