色街発、冥途行 凄絶な美を見よ『心中、恋の大和路』先行画像
この場面は、公金横領(捕まれば死刑)して、愛しい女を身請けして落ちのびていく冥途の飛脚のシーンでしょうか。
この凄絶な美しさを見よ。情熱の後の荒涼とした無残を見よ。
一度は思案、二度は不思案、三度飛脚。
戻れば合わせて六道の、冥途の飛脚。
えいえい鳥がな、浮世鳥が月夜も闇も、首尾を求めて遭おう、阿呆とさ。
宝塚の手にかかれば、
奈良の田舎の高校生が、お母さんが亡くなって、父親が再婚して実家にいづらくなって、卒業後大阪に出ていっぱしのビジネスマンになって、
「キャバクラ通いをしているうちにキャバ嬢とデキちゃって、金が無くなって会社の金を持ち逃げする男」
をこんなに美しく表現できるのだ。
この話は、遠い時代のお侍の話でも、西洋のカッコイイ軍人の話でもない。
普通の都会にいる”勤め人のわたし”の話なのだ。