宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

全ツではできない "新演出"うたかたの恋?




花組公演
■主演・・・柚香 光、星風 まどか


◆宝塚大劇場:2023年1月(予定)<一般前売:未定>
◆東京宝塚劇場:2023年2月~3月(予定)<一般前売:未定>


ミュージカル・ロマン

『うたかたの恋』

原作/クロード・アネ

脚本/柴田 侑宏 潤色・演出/小柳 奈穂子


クロード・アネの小説「マイヤーリンク」をもとに、19世紀のオーストリアで実際に起こった皇太子ルドルフと男爵令嬢マリーの悲恋を、柴田侑宏がドラマティックに描きあげた『うたかたの恋』。


幾度も再演を重ね、宝塚歌劇を代表するミュージカルの一つとなった本作が、1983年の初演から40周年となる2023年、小柳奈穂子演出により30年ぶりに大劇場の舞台に甦ります。


宝塚歌劇ならではの儚くも美しい究極の愛を描いた脚本の魅力を生かしながら、新たな演出でお届けする2023年版『うたかたの恋』にご期待ください。


最初、全ツの演目発表かと思いましたが、花組の次の全ツのお芝居は、柴田先生の「フィレンツェに燃ゆ」でしたね。


・・・全ツで「うたかたの恋」でもよかったような気もしますが、


大劇場で大階段上の幕開き、70余名の登場人物、オケの生演奏で浴びる柴田作品の「香気」は、県民ホールで録音伴奏で体験するものとはまた別物でしょうね。



柴田先生の作品は、全ツの定番ですね。


宝塚初体験の客に喜ばれる、クラシカルな香気と、ねっとりと濃厚なエロスに満ちたメロドラマ。



昭和を知る世代には懐かしく、平成生まれにはかえって新鮮に映るかもしれない、


主人公の出生の秘密(実は兄妹)とか、


運命の悪戯で約束のところへ行けない、誰かに会えなくなってすれ違い(携帯電話が登場してから、TVドラマではこの設定を使えませんね)とか、


煮詰まった主人公がいきなり自殺とか、


妻子ある三十路男が未成年を道連れに心中とか、


狭い人間関係の中で繰り広げられる、昼メロ愛憎劇。


発酵バターのかほりの大映ドラマ


感が大好きなのですが、


”宝塚歌劇ならではの儚くも美しい究極の愛を描いた脚本の魅力を生かしながら、新たな演出でお届けする2023年版『うたかたの恋』にご期待ください。”


ということは、



マリーが、ルドルフから初夜の日付を刻んだリングを贈られて「恥ずかしいわ💛」とか、



雪の山小屋で、心中前にマリーの心を落ち着かせるための「かくれんぼ遊び」とか、



あれやこれやのシーンの演出が、令和の時代のコンプラに合うように変わるのでしょうか。


・・・


柴田作品の魅力の根源を変えずに伝えていくために、


潤色・演出の小柳 奈穂子先生の、


変えられるものを変える勇気を、


変えられないものを受け入れる冷静さを、


そして両者を識別する知恵を、期待しております。


うたかたの恋いろいろ


クロード・アネによる原作の原題は「Mayerling」


まあ、西欧ではともかく、日本では"マイヤーリンク"でピンと来るのは、


ヅカオタ、バレエファン、・・・くらいかなあ。


「うたかたの恋」という邦題を当てはめた人、グッジョブ!



クロード・アネによる原作は現在絶版中ですが(再販あるかしら)、原作を元にした舞台は現在にいたるまで世界中で制作されています。





うたかたの恋

イギリスの振付家ケネス・マクミランによるバレエ(1978)。原題《Mayerling》。オーストリア・ハンガリー帝国の皇太子ルドルフの心中事件を扱った、フランスの作家クロード・アネによる同名の小説に基づく。


うたかたの恋

宝塚歌劇団による舞台演目のひとつ。脚本:柴田侑宏。1983年、宝塚大劇場にて雪組が初演したミュージカル。原作はボリス・ヴィアンの同名小説。その後何度も再演されている。



うたかたの恋

日本のポピュラー音楽。歌は女性演歌歌手、藤あや子。1997年発売。作詞:三浦康照、作曲:水森英夫。


(デジタル大辞泉の解説が間違っている?柴田先生はクロード・アネ「うたかたの恋」とボリス・ヴィアンの同名小説を参考にしているの?))



バレエ「うたかたの恋」



「うたかたの恋」(ケネス・マクミラン振付/エドワード・ワトソン/マーラ・ガレアッツィ/ロイヤル・バレエ団)【高画質】【バレエDVD/Blu-ray「うたかたの恋」トレイラー】


~オーストリア=ハンガリー帝国の黄昏 - 踊る悲恋の物語~

1889年1月、オーストリア=ハンガリー帝国のルドルフ皇太子が、17歳の男爵令嬢マリー・ヴェッツェラと共にウィーン近郊のマイヤーリングの館で突然の死を遂げる…。


『うたかたの恋』は未だに謎とされるこの名高い心中事件を題材に、ルドルフの結婚から悲劇の結末にいたる8年間の苦悩をマクミランが描き出した傑作。

音楽は・・・リスト!


ねっとりと濃密なエロス、世界の終焉の予感をはらんだ、不気味なまでに陽気なワルツが奏でる”陽気な黙示録”。


東宝版「エリザベート」のような「うたかたの恋」ですね。







でも世間的に一番有名なのはこれかも(笑)


作詞:三浦康照 作曲:水森英夫 編曲:前田俊明

藤あや子「うたかたの恋」ミュージックビデオ(1コーラス)



他にも、1936年フランス映画「うたかたの戀」(Mayerling,)という作品があったそうですが、戦前ゆえ、外国の話とはいえ、皇太子が未成年と心中する作品はご法度だったのか、日本では上映されず。



お宝映像発見!


オードリーヘップバーンのマリー・ヴェッツェラ


1957年のアメリカ合衆国のテレビ映画(なんと生放送で、ヘプバーンは90分の放送枠の間に11回も衣装を替えたそうです。)




映画『マイヤーリング』予告編



『ローマの休日』『ティファニーで朝食を』などのオードリー・ヘプバーンが主演を務めた、長らく日本未公開だった幻の恋愛ドラマ。


フランスの小説を基に、オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子と男爵家出身の美しい娘の許されぬ恋と悲しい結末を描く。


17歳のヒロインをオードリーが演じ、相手役を『戦争と平和』の共演者でオードリーの当時の夫でもあったメル・ファーラー。メガホンを取るのは、『蛇の穴』などのアナトール・リトヴァク。美しさの絶頂にあったオードリーのたたずまいにうっとりする。