宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

月組のお母さん、退団かあ。その他の配役も発表!




月組公演『グレート・ギャツビー』制作発表会PR映像



下記の生徒の退団発表がありましたのでお知らせいたします。   


月組

夏月 都

晴音 アキ

佳乃 百合香


2022年10月9日(月組 東京宝塚劇場公演千秋楽)付で退団

月組のお母さんたちが、退団


夏月 都さんと言えば、月組のお母さん。


近年の役どころは、


マダム・ピーピー役(『グランドホテル』


乳母マドレーヌ 役(『All for One』


ルドヴィカ役(『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』


お杉ばあさん 役(『夢現無双 -吉川英治原作「宮本武蔵」より-』


ヘルタ・ヴァルトフォーゲル[エマの母] 役(『I AM FROM AUSTRIA-故郷(ふるさと)は甘き調(しら)べ-』


アルマ役(『ダル・レークの恋[TBS赤坂ACTシアター公演]』


弁内侍【老年】役(『桜嵐記(おうらんき)』


ばあや役(『今夜、ロマンス劇場で』)


学年的に当然なのですが、おかあさんというより、月組のグランマ的存在でしたね。



最近印象的だった、というか、いまだ気になってしょうがないのは、『I AM FROM AUSTRIA』のエマ(美園)の母、ヘルタ・ヴァルトフォーゲル役。


成功するためにオーストリアの田舎を飛び出して、ハリウッドのゴージャス美女となったエマが、


「私と母との関係は、とても混乱しているの!」


と言うけど、


質素な身なりの母は、ずっと娘に会いたがっているっぽい。



母と娘の関係にどんな過去が?


ラスト、エマの呪縛を解くカタルシスが来るのか。


あるいは、母に金をせびられるほろ苦いラスト?


わくわく💛




ラスト、母と娘の間に、


特に何も無かった。



サイトー先生、伏線は回収しょう!(再演で明かされるのか?そもそも再演はあるのか)




晴音 アキさん、月組の歌姫でしたね。最近の「ブエノスアイレスの風」チンピラの息子に金を無心され、なんだかんだ言いながら突き放せない母心。


そんな息子が人様を殺し、刑務所へ。


「待ってるから」と歌いだす「ブエノスアイレスの風」の主題歌。


「息子が刑務所に行った母の、嘆きと祈りの歌」という、物語と役どころにぴったりくっついた、じっとりと重い「劇中歌」を超えて、


風光る季節に、ブエノスアイレスに帰って来たツバメの飛翔を見るような、命の輝きを歌う軽やかな「スタンダードナンバー」として歌っていらっしゃったのが印象的でした。



その他のキャストも公開!




ジェイ・ギャツビー 月城 かなと(瀬奈 じゅん)
(謎の成金。デイジーを思い続ける)

デイジー・ブキャナン 海乃 美月(城咲 あい)

(ギャツビーの想い人)

トム・ブキャナン 鳳月 杏(青樹 泉)

(デイジーの夫)

ニック・キャラウェイ 風間 柚乃(遼河 はるひ)

(ギャッビーの隣人)




ヘンリー・C・ギャッツ/運転手 英真 なおき(汝鳥 伶)
(ギャツビーのお父さん)


マイヤー・ウルフシェイム 輝月 ゆうま(越乃 リュウ)

(ギャングのボス)


ジョージ・ウィルソン 光月 るう(磯野 千尋)
(自動車修理技師)


ヒルダ 夏月 都(妃鳳 こころ)


エリザベス・フェイ/セイヤー夫人 白雪 さち花(梨花 ますみ)


警視総監/ニコルソン市長 千海 華蘭(華央 あみり)


マーゴット・ニコルソン/アンナ 晴音 アキ(美夢 ひまり)


アンソニー・フェイ/カーター警部 春海 ゆう(一色 瑠加)


ラウル 夢奈 瑠音(彩央 寿音)


スレイグル 蓮 つかさ(一色 瑠加)


新聞記者ミッチェル 佳城 葵


ジョン 朝霧 真


サリー 麗 泉里


ニッキー 清華 蘭(咲希 あかね)


ユーイング 英 かおと


ジョーダン・ベイカー 彩 みちる(涼城 まりな)
(女性プロゴルファー)


居候 朝陽 つばさ


サム 蘭 尚樹


ミニー 桃歌 雪(紗蘭 えりか)


居候 空城 ゆう


ジャッキー 妃純 凛(白雪 さち花)


マートル・ウィルソン 天紫 珠李(憧花 ゆりの)
(自動車修理工マートルの妻。トムの浮気相手)


ディック 彩音 星凪(宇月 颯)


ビロクシー礼華 はる(光月 るう)


ヴィッキー結愛 かれん


エディ・ニコルソン/ルディ彩海 せら(紫門 ゆりや)


リリー天愛 るりあ


ジュリア/タンゴの歌手 蘭世 惠翔


妖精 菜々野 あり


ボブ柊木 絢斗


ハリー 一星 慧


ビル 大楠 てら


キャサリン白河 りり(夏月 都)
(マートルの妹)


少年時代のギャツビー/マイク 瑠皇 りあ(彩星りおん)


アイリーン羽音 みか


バーテン 彩路 ゆりか


ジュディ・フェイ きよら 羽龍


ドン 真弘 蓮


クラブシンガー咲彩 いちご


妖精 美海 そら



海岸に住む華やかな上流階級と、「灰の谷」と呼ばれる、石炭くずを埋め立てた、ぼた山の谷に住む自動車修理工ジョージ・ウィルソン達との対比が、この物語の基本構造となっています。


作品の舞台、狂乱の1920年代


話の舞台は、第一次世界大戦後の好景気に沸く、狂乱の1920年代、いわゆるローリング・トウェンティーズ【Roaring Twenties】


この語には〈ほえる〉〈騒々しい〉〈活発な〉といった意味があります。


繁栄と戦後の解放感から、とくに若い世代が、前代までの保守的な道徳律に反抗して、一般的に享楽的になり、風俗やマナーが急激に変わった時代。


旧来の、宝塚のショーに出てくるような、燕尾の紳士とロングドレスの淑女の〈お上品な伝統〉


こんな感じ

月組公演『グレート・ギャツビー』制作発表会ダイジェスト



に反抗するかのような、自由で解放された、刹那的で享楽的な雰囲気が都市を覆っていました。


映画版のギャッビーの屋敷のパーティ

映画『華麗なるギャツビー』特別映像 Great Music is Timeless


アメリカはちょうど禁酒法(1920ー1933)の時代です。




米国における禁酒運動は19―20世紀に教会の影響の下に急速に発展し,ニューヨーク州をはじめ多くの州で酒類の販売が禁じられ,


1919年には禁酒法(ボルステッド法Volstead Act)が連邦議会を通過した(1920年施行)。


しかしアル・カポネをはじめとするギャングによる密輸・密造を招き,それに伴う犯罪も増加し,いわゆる〈ロアリング・トゥウェンティーズroaring twenties〉と呼ばれる無法時代を生んだため1933年廃止。


禁酒法の時代でも、合法的にお酒を入手する方法はありました。


医師に「治療の為、ハーブをお酒に浸したリキュールを飲むように」という処方箋を書いて貰えば、ドラッグストアでお酒を大っぴらに買えたのです。


(実際には、薬剤師に「ハーブ酒のハーブ抜き」を頼む輩もいたそうで(笑))


原作では、ギャッビーの資金源は、「ドラッグストアチェーンの経営者」となっています。