宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

HiGH&LOWコラボチケットは売れた、その先

HiGH&LOWコラボ、ウラの狙いは「会活動を補完する、SNSで積極的に宣伝してくれるLDHファンの獲得」説






宝塚大劇場では、宝塚歌劇共通ID(共通IDに登録済の宝塚友の会会員含む)をお持ちの25歳以下のお客様を対象として、『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』『Capricciosa(カプリチョーザ)!!』-心のままに-「U25割引チケット」を販売するそうです。


販売方法については、8月1日(月)に対象者の方へ、チケット特設サイトのURLおよび購入方法の詳細を記載したメールが送られるとのこと。



『シニア割』では「事前に電話で予約、当日受け取り」でしたが、


若い世代は「ネットで予約」より「オペレーターに電話して予約」のほうがハードルが高いでしょうから、柔軟な対応ですね。





『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』は、おそらく原作ファン、LDHファンの若い世代を宝塚に呼ぶための試みでしょう。


「女子中高生が見てファンになってもらって、未来のスタージェンヌになってくれるかも」


「若いうちに宝塚に触れてファンになってくれれば、今後数十年にわたって息の長い顧客になってくれる可能性がある」


という意図もあると思います。



プラス、


「宝塚を宣伝してくれる、SNS拡散力の強いファン層の獲得」


も狙っているのかな?


最近「ファンダム」という言葉があって、これは「ファン」と「キングダム」を足した造語だそうです。


宝塚で言うと「会活動」のようなものですが、


最近の「ファンダム」、特に韓国のKポップアイドルを支えるのは、「コンテンツを消費するファンの集まり」だけでなく、「ファンがコンテンツを作る」活動だそうです。




K-POPファンダムが持つ自主性は、そこから生まれるファンカルチャーによく表れている。


例えば、アーティストの誕生日やデビュー記念日を祝う「広告看板」は韓国内の駅やバス停、商業施設と至るところで目にすることができるが、これらは所属事務所によって公式的に設けられているわけではない。



また、同様にファン発信で行なわれるポピュラーなイベントとして「カップホルダーの配布」というものもある。


これは、会期中に所定のカフェを訪れてドリンクを注文するとアーティストの写真が施されたカップホルダーを貰うことができるというもので、カフェ内では写真や似顔絵イラストなどが飾られたギャラリースペースが設けられていることも多い。

まあ、宝塚ファンもSNSで「○○さん、誕生日おめでとうございます!」とつぶやいたり、会がお茶会を開催とかありましたが、



”アーティストの写真が施されたグッズを貰えるカフェ”


”公共の場に、アーティストの誕生日やデビュー記念日を祝う「広告看板」


韓国では、”非公式でやってOK”なんですね・・・



宝塚の会活動について、ファンの奉仕を公式がタダで使ってよいのだろうか、とも思っていましたが、


韓国のKポップの世界は、宝塚のさらに上を行っていますね・・・




さらに凄いのは、公式PR映像にファンが翻訳字幕をつけて投稿するのを、サービス側が公式に認めていること。


アーティストが動画配信を行なうサービス「VLIVE」の動画につく多言語の字幕は、主に視聴者による字幕作成コミュニティー「V Fansubs」によって提供されている。


ここでは日本語や英語のみでなく、中国語、スペイン語、インドネシア語、ポルトガル語、トルコ語、アラビア語、タガログ語など多岐にわたる言語の字幕がファンの手によって作成される。つまり、視聴者による字幕作成をサービス側が公式に認めている


宝塚でも、初日ダイジェストに英語解説をつけた動画を作成しています。



TAKARAZUKA REVUE official promotional video "Sherlock Holmes – The Game Is Afoot! –" "Délicieux!"



この動画の下部に流れている英語解説は、宝塚歌劇団全般や主演者についての解説がメインですが、


これが韓国のアイドル事務所だったら、ファンが芝居のセリフやショーの歌詞を各国言語に翻訳した字幕を追加して拡散するのを公認しているということ。


そりゃあ、韓国語ネイティブ以外のファンも、大好きなスターが何を言っているか、知りたくなるよね。



このファンパワーのおかげで、事務所の公式HPなどへ直接情報を見にいくファンよりもはるかに多くの世界中のファンに情報が届き、韓流スターの世界戦略を助けているわけです。



宝塚でも、公式がHPで提供するのは、人事や、演目や、画像のみであるところを、



たとえばブログ村宝塚カテゴリでは、ブロガーさんたちが各々の視点から、人事考察、作品の見どころや役どころ紹介、先行画像の出来があーだこーだ、観劇感想、


日刊宝塚状態。


宝塚は公式の情報提供も凄いですが、SNSでファンが「宝塚読み物コンテンツ」を作り、拡散する活動も無視できないと思います。しかも無料で読める。



予算をかけて、TV等で10万人に「見ただけ」のリーチをするのと、


100人に深いコミュニケーションをして、その100人がSNSで強烈なシェアをして1,000人に伝わって読んでもらって10万人に届くのとでは、



後者のほうがコスパよく、深く届いて、「面白そう。見てみたい」と行動変容につながりそうですね。


LDHとのコラボで


「宝塚をおおいに宣伝するインフルエンサーになってくれるファンとの出会い」


ご縁があったらいいな。


そのためには


「60歳以上の方にも、25歳以下の方にも面白い舞台」


を作らなくてはいけないわけで。


スタッフの皆様、がんばって!