星組で見たい男の友情ロマン「キングダム2」感想
「心中・恋の大和路」の配信を視聴するために午後半日有休をとったのに、ぽかっと用事が無くなってしまい、
映画館で『キングダム2 遥かなる大地へ』を鑑賞しました。
映画『キングダム2 遥かなる大地へ』予告①60秒【2022年7月15日(金)公開】
前作では、王が弟にクーデターを起こされ、王宮の中庭で80人くらいで壮絶な兄弟げんかを繰り広げていました。
今回は、前作が興行収入57億円の大ヒットとなったおかげか、予算もお話の規模も、大幅にスケールアップ!
中国ロケ慣行、スタントには中国の武術学校が協力!本物の馬もたくさん!
予算は大事だ!
あらすじ
今から2,200年くらい前。中国は7つの大国に別れ、500年もの間互いに争っていた。
これは7大国の1つ秦国で、13歳で即位した若き王、政(後の始皇帝)と、
戦災孤児として育ち、ひょんなことから政に仕えることとなる信(目指せ、大将軍!)
の物語。
隣国「魏」が、国境を越え侵攻を開始した!
決戦の地は、蛇甘平原(だかんへいげん)!
大平原で、大合戦だ!
キング
政セイ(吉沢亮):秦の若き王。何者かに命を狙われている。
チーム最弱の伍(五人組)
信シン(山﨑賢人):戦災孤児として育った、脳筋ぎみの若者。今回が実戦に初参戦。
尾平ビヘイ(岡山天音):新と同じ村出身の若者。今回が初参戦。
尾到ビトウ(三浦貴大):尾平の弟。
羌瘣キョウカイ(清野菜名):子どものような風貌に、哀しい目をした謎の少年兵。実は・・・
伍長・澤圭タクケイ(濱津隆之):信たちが属する五人組の隊長。頼りなさそうに見えて、実戦で隊員を死なせたことが無い。
将軍たち
麃公ヒョウコウ(豊川悦司):秦の総大将。戦と酒に明け暮れる猪突猛進の豪将
縛虎申バクコウシン(渋川清彦):無謀ともいえる突撃命令を下す千人隊長
王騎オウキ(大沢たかお):秦国六大将軍の一人。その存在感は秦国武将の中でも別格だが、しばらく最前線から離れている。
敵
呉慶ゴケイ(小澤征悦):敵国魏の総大将。知略に優れた戦の天才
信たちが必死にマラソンして戦場に着く頃には、有利とされる丘を魏軍に占拠され、すでに半数以上の歩兵が戦死している隊もあるなど、戦況は最悪。
完全に後れを取った秦軍。兵たちも息があがってクタクタ。
だが、信が配属された隊を指揮する縛虎申(渋川清彦)は、
「ごちゃごちゃ言わんと、突撃ー!!」
というわけで、130分中100分くらいが合戦シーンという、最近の邦画界では破格のスペクタクル映画でした。
わかりやすいことは大事なことだ
原作やアニメ版を未読の方には、
「中国ものって、複雑な歴史背景や、独特の人名や用語が多くて、ついていけないイメージが・・・」
と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
本作は、メインストーリーが「何も知らない若者が、初めての戦場で体験すること」をテーマにしていて、
主人公の属する「チーム最弱の伍」の隊長澤圭(タクケイ)が、主人公に戦場のいろは
(秦の軍隊の組織(5人組⇒100人隊⇒千人隊⇒大将軍)、兵器や戦況の解説など)
を教えてくれるので、すんなり戦国の世界に入っていけます。
合戦シーンも、何万という大軍勢はCGで、実際に戦うシーンは、せいぜい100人ほどが入り乱れる局所戦のシーンが多いのですが、
CGシーンで軍隊の陣(戦陣)を敷くようすをわかりやすく見せ、局所戦では
まず「歩兵戦」
次は「騎馬隊」
最強の「戦車」
「金将出てきた!」
敵陣に入ると、パワーアップ(フライングアクション)!
将棋の「歩兵」とか「桂馬」「飛車」とかみたい。
将棋の起源は、ここか。
※将棋には「王将」「金将」「銀将」「桂馬」「香車」「角行」「飛車」「歩兵」の8種類の駒があり、それぞれの動き方が違います。また、敵陣に入れば、パワーアップします。
まるで、将棋の盤面で行われている布陣や局地戦を擬人化したものを見ているようで、(「捨て駒」「穴熊囲い」「矢倉戦法」など)
合戦には、個々の兵や兵器の能力のみならず、将軍の作戦とか、心理戦とか、大局観がとても大切だということが、視覚的にわかりやすく描かれていました。
戦う女たち
史実では古代の合戦に女性の出る幕はほぼ無いのですが、「キングダム」には何人か女性の戦闘員が登場します。
今作のヒロイン格である羌瘣キョウカイ(清野菜名)は、子どものような風貌に、哀しい目をした謎の少年兵。実は女性。
彼女は伝説の暗殺一族蚩尤(しゆう)に生まれました。
蚩尤の一族に生まれた女性は、掟により最後の一人になるまで殺し合うバトルロワイヤルを行い、生き残った者だけが伝説の暗殺術を受け継ぐという。
羌瘣は姉を殺され、仇が魏に逃げたらしいので、復讐のために秦対魏の戦いに参戦した、という設定があります。
正直、(一応)史実ベースで話が進む中、哀しみの女兵士羌瘣(キョウカイ)のエピソードがちょっと浮いていて(なんで女性だけでバトルロワイヤル?暗殺者の数は多い方がよいのでは?)
原作を知らないと唐突で混乱するところもありますが、とにかく漢だらけの世界観に、意思を持って戦う女性を登場させる試みとしては面白い。
前作でも、山の奥深くで平地の民とはずいぶん異なる風俗で暮らす「山の民」の存在が描かれており、
今作のヒロインは羌族の女性(きょう、古代より中国西北部に住んでいる民族。現在も中国の少数民族(チャン族)として存在する。)
「キングダム」は、これまで漢民族の男だけで占められた世界であった古代中華エンタメ作品に、少数民族側の女性の視線を入れているところが現代的で興味深いです。
宝塚でやるなら、熱いぜ、星組で!
キング
政セイ(暁):秦の若き王。何者かに命を狙われている。
チーム最弱の伍(五人組)
信シン(礼):戦災孤児として育った、脳筋ぎみの若者。今回が実戦に初参戦。
尾平ビヘイ(綺城):新と同じ村出身の若者。今回が初参戦。
尾到ビトウ(天華):尾平の弟。
羌瘣キョウカイ(舞空):子どものような風貌に、哀しい目をした謎の少年兵。実は・・・
伍長・澤圭タクケイ(瀬央):信たちが属する五人組の隊長。頼りなさそうに見えて、実戦で隊員を死なせたことが無い。
「チーム最強の伍」になっちゃった(笑)