公演中にタブレットで台本が読めるサービス拡大
宝塚歌劇では、より多くのお客様に公演をお楽しみいただくべく、サポートが必要なお客様への様々なサービスをご用意しております。
聴覚に障がいをお持ちのお客様を対象とした鑑賞サポートタブレットの貸し出しサービスにつきまして、これまで貸し出しの対象外であった全国ツアーにおいても、以下の全国ツアー公演より一部会場を対象として貸し出しを開始いたします。
◆星組全国ツアー公演『バレンシアの熱い花』『パッション・ダムール・アゲイン!』
3月26日(日)~ 4月11日(火)
おお、障害者手帳をお持ちの方が、出演者のセリフ等の文字情報が保存されたタブレット端末を読むことができるサービスが、全国公演の会場にも拡大されるのですね!
対象会場は、
梅田芸術劇場メインホール(大阪府) 3/26(日)~3/29(水)
市川市文化会館(千葉県) 4/1(土)~4/2(日)
福岡市民会館(福岡県) 4/8(土)~4/11(火)
とのことです。
宝塚大劇場などでは、これまでにも聴覚に障害をお持ちのファンのために、音声補助イヤフォンや鑑賞サポートタブレットの貸し出しなどを実施してきておりました。
音声補助イヤフォン(宝塚大劇場のみ)
宝塚大劇場では、音声補助イヤフォンの貸し出しを行っております(数に限りがございます)。セリフや音楽をより明瞭に聞き取りやすくする設備(赤外線補聴援助システム)です。補聴器、人工内耳の方にも対応しています。
・宝塚大劇場(劇場改札内インフォメーションにて)
鑑賞サポートタブレット
聴覚に障がいのあるお客様を対象とした、鑑賞サポートタブレットの貸し出しを⾏っております(一部公演を除く)。出演者のセリフ等の文字情報が保存されたタブレット端末をご自身で操作していただき、公演をご覧いただけます。
この動きは東宝にも広がっているそうです。
2022年2月16日 日本経済新聞の記事より
耳が不自由な人にも演劇を楽しんでもらおうと、せりふなどの字幕を表示したタブレット端末を貸し出すといった鑑賞サポートを複数の劇場が提供している。
以前は開演前の限られた時間に台本を見せるなどの対応にとどまっていた。ただ、タブレットでも著作権の関係で一部の歌詞が表示されないという課題が残っている。
「タブレットのおかげで内容が理解でき、他のお客さんたちと同じタイミングで笑ったり感動したりできた」。2月上旬、東京宝塚劇場で花組の公演を楽しんだ都内在住の山崎有紀子さんはうれしそうに話す。
山崎さんは難聴だが、約10年来の演劇ファン。鑑賞サポートを利用できるようになって以前より観劇の回数が増えた。
宝塚歌劇を運営する阪急電鉄は、聴覚障害のある客からの要望を受け、台本を表示したタブレットの貸し出しを昨年6月から兵庫県宝塚市の大劇場や東京劇場などで開始。画面で台本のページをめくりながら舞台を見ることで、音が聞こえなくても理解できる形だ。
利用は無料だが予約が必要。画面は光を抑え、周りの客が気にならないよう工夫してある。50回の公演の場合、20~30件ほど利用があるという。
帝国劇場などでも、既に台本タブレットの貸し出しを始めているそうです。
だが、自分で電子書籍の台本をめくる形式だと、お芝居の進行と台本をめくるタイミングが合わなくなることもあります。
この手のサービスで凄いのは、劇団四季。
劇団四季では2018年から訪日外国人や聴覚障害者向けに、眼鏡をかけると視野に字幕が表示される字幕グラスを貸し出していたそうです。
障害をお持ち方のみならず、英語/韓国語/中国語(繁体字・簡体字)/日本語にも対応しているのは凄いですね!
映画館では、字幕が浮いてみえるメガネや、スマートフォンアプリにデータをダウンロードし、映画館で起ち上げれば映画の音声に同期して、字幕を見ることができるサービスが実用化されています。
利用者の絶対数が多い、映画や四季のロングラン公演だから対応できる字幕グラスサービスなのかもしれないですが、
技術の進化で宝塚でも字幕グラスが実装されたら、いろいろ可能性が広がりそうですね。
せりふを言っている子の芸名が字幕グラスで確認できたら、下級生たちの解像度がぐーんとあがりそうですし、AI翻訳で多言語対応できれば、インバウンドのお客様にもわかりやすい。
こういった試みが、他の舞台にも広がってほしいです。