宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

劇団はトップに「あなたは〇作で辞めてね」と言えるのか



ジェンヌさんも、「理不尽な仕事を我慢してやることはない」という時代に?



『宝塚歌劇団』は阪急電鉄創遊事業本部の一部署であり、ジェンヌは労働者です。


私は週刊文春が嫌いです。


でも、文春砲はともかく、労働基準監督署の監査があったら、企業としてきちんと理由を説明できない労使慣行は「宝塚歌劇団は聖域(治外法権)ですから」とは言えない時代です。



礼真琴さんが「休養」をとるというニュースにファン界隈は大騒ぎで、


「劇団は礼真琴さんが「休養」をとる理由を説明してください!」


という意見が飛び交いました。


劇団が博多座の星組公演『ME AND MY GIRL』を「主演:礼真琴」として公演を周知後に休演するなら、理由も必要でしょうが、


現時点で、博多座の星組公演『ME AND MY GIRL』の主演者が礼真琴と思ってチケットを買ったお客はいないので、休養の理由をアナウンスする必要は無いのでしょう。


昔は「理不尽な仕事でも、我慢してやるのが美しい」という価値観もありましたが、


最近は、厚生労働省が


「理不尽な仕事、我慢してやっていませんか」


と呼びかけている時代です。



そもそもジェンヌさんは「労働者」としてどのような立ち位置にいるのか?


「Business Journal」のサイトに、ジェンヌさんの労働条件についての記事がありました。



宝塚歌劇団の生徒は、劇団付属の宝塚音楽学校で予科1年・本科1年の計2年間の教育を受け、卒業認定と入団式を経て、正式に宝塚歌劇団の研究科1年になる。


宝塚歌劇団の創設者である故・小林一三阪急電鉄会長の方針により、団員は入団手続きの際に雇用契約を締結し、一定の学年になると“タレント”として新たに個別の契約を結ぶ



さらに退職金も出ます。阪急電鉄の社員である間(今は5年目まで)に退団する生徒は退団時に支払われます。


それ以降も宝塚に在籍する生徒はタレント契約(個人事業主)に切り替わるとき(今は5年目終了時)に支払われます。



ジェンヌの雇用契約がどのようになっているのか、劇団からはっきり公表されておりませんが、


劇団員は入団手続きの際に雇用契約を締結し、研6になると“タレント”として新たに個別の契約を結ぶということですと、劇団と個人事業主として業務委託契約を締結しているのでしょうか?


個人事業主として業務委託契約を締結しているなら、建前としてはジェンヌは劇団と対等な関係です。


でも、ジェンヌの実態は劇団の指揮命令下にある労働者です。


日本は、労働者を自由に解雇してOKな社会ではありません。


「あなたはトップ〇作で辞めるのが美しいから、もう契約を更新しません。」


コンプライアンス的にどうなのか・・・昔は言えたのかもしれませんが、今はどうなのでしょう。


礼さんの外箱を休演でなく「休養」させ、長期トップをファンに飽きさせないため?の相手役チェンジ、専科が大きな外箱で主演など、劇団とジェンヌさんの労働慣行に対する意識も変わってきたのかなあ、という感触があります。


これは、劇団とジェンヌの自発的な話し合い故か、親会社や役所からの監査・指摘があったのか?


きっかけが何であれ、劇団とジェンヌさんの関係がよりよいものになりますように。