宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

風間、指名手配!容疑は「ハート泥棒」?




社会主義国となった東ドイツの国家人民軍で広報を担当するヨナス・ハインリッヒ(月城 かなと)



西ドイツのポップスター、ナディア・シュナイダー(海乃 美月)



ヨナスの大学時代の同期でもある、秘密警察のヘルムート・ヴォルフ(鳳月 杏)



そして指名手配犯、ルイス・ヴァグナー・・・


公演ポスターを拝見するに、今作は


「罪状:ハート泥棒」


的な、ベルリンの壁崩壊へと向かう激動のドイツを舞台に描くコミカルでハートウォーミングなミュージカル作品なのでしょうね。





ちなみに、史実の旧東ドイツの情報機関「国家保安省」(通称・シュタージ)は、人権抑圧の象徴として,国民に最も嫌われ恐れられておりました。


なにせ、当時のシュタージには、あのプーチン氏も情報収集の為出入りしていたのです。




1989年末時点で,正式職員は約 10万人,非公然職員 10万 900人のほか身分不詳の職員による特別部門もあり、悪名高いナチスの保安警察の倍以上の規模で、600万件もの個人データを収集していました。


収集した個人データファイルをすべてつなぎ合わせると、180キロの長さに及ぶそうです。


インターネットの普及していない時代に、どうやってそれだけの国民を監視できたかというと、


「国民総スパイ作戦」


国民6.5人に1人がシュタージの「陰の協力者」となり、隣人を監視し、密告する側に立つという恐るべき体制を、「ベルリンの壁崩壊」まで維持していたのです。



このシュタージのデータ・ファイルは、ドイツ統一後、国民に公開されました。


閲覧した市民の多くが、


「お父さん、シュタージの「陰の協力者」だったの!友達のパパが逮捕されたのは、お父さんが密告したせいだったの!」


といった東ドイツの闇の部分を知るところとなり、


公職を追われる政治家・議員,各界のエリートが続出したほか,家庭内、ご近所同士の関係に大変な波乱が起きたそうです。



史実を思うと、風間 柚乃演じるルイス・ヴァグナーが、こんな笑顔の写真を指名手配写真に使われたということは、


心を許した相手に撮影してもらったプライベート写真が、シュタージに提供されたということでもあるのですね・・・