宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

月組『万華鏡百景色』は東京風俗ショー?



月組公演



東京詞華集(トウキョウアンソロジー)


『万華鏡百景色(ばんかきょうひゃくげしき)』


の初日映像を拝見しました。


花魁!地獄変!モダンガールにモダンボーイ!


デュエットの曲、椎名林檎の『目抜き通り』ですかこれ!


遂に、宝塚のショーに椎名林檎ワールドが!


いやーっ、椎名林檎直撃世代としては、彼女の歌が宝塚のショーで使われるようになったのは感慨深い。


ファーストアルバム『無罪モラトリアム』で「正しい街」「歌舞伎町の女王」「丸の内サディスティック」


セカンドアルバム『勝訴ストリップ』で「本能」というタイトルの歌詞を歌い、


サードアルバム・・・ちょっとここでタイトルを書くのは控えておこう…


個人的には、女性が性(さが)とかエクスタシーとか口にしてもいいじゃん!と教えてくれた師匠ですわ。



この歌は


”もっと迷いたいもっと色めきたい 広い往来で 


本番さショータイム終わらない”


と、東京の目抜き通りを着飾って歩く「東京人になりたい。東京で何者かになりたい」人の気概を歌います。


そうよねえ。梅田や難波を「関西人になりたい」と思いながら歩いたことは無いな。




椎名林檎とトータス松本 - 目抜き通り


きらびやかな銀座礼賛ソングと思いきや、ラストは


”あの世でもらう批評が本当なのさ


デートの夢は永い眠りで観ようか


最期の日から数えてみてほらご覧


飛び出しておいで目抜き通りへ”


え、死人の夢オチ?というフックを残して終わる洒落た歌です。



『万華鏡百景色』映像を拝見するに、ついに宝塚のショーに新しい世界観が生まれましたね。


宝塚のショーって、花魁が出ようがコールガールが出ようが、SNSで言うとInstagram的な✨キラキラ✨加工のヴェールを被っていると思うのです。


『万華鏡百景色』は宝塚のショーにしてはキラキラ加工がやや少な目で、


Twitter的な、キラキラばかりではなく生っぽさも毒っ気もある、本来の意味での東京風俗(ある時代・地域・階層に特徴的に見られる)衣食住など日常生活上のしきたり、ならわし、世相などを含めた、あの時代の空気を再現しようとしている感がありますね。


「輪廻転生を繰り返す男女」の設定も、『目抜き通り』の世界観があっていいですね。