カサノヴァの女とヅカオタ「同担拒否」がない人々
先日スカステでやっと『CASANOVA』を拝見しました。
公式あらすじ
18世紀ヴェネツィアに生まれ、ロココ文化華やかなりしヨーロッパ諸国を跳梁(ちょうりょう)した稀代のプレイボーイ、ジャコモ・カサノヴァ。詩人や作家、聖職者、詐欺師、錬金術師、そしてスパイ……様々な貌(かお)を持つカサノヴァが辿った数奇な人生を基に、愛と夢に彩られた冒険譚を明日海りお主演のオリジナル・ストーリーで綴るスペクタクル・ミュージカル大作。
面白そうなあらすじなのに・・・
起・起・起・結?
えーっと、生田せんせ、ちょっといらっしゃい。
なんですか、このせっかく魅力的なキャラがそろっているのに、いつまでも劇的な事件が起きない芝居は。「起承転結」の承と転が抜けて 「起・起・起・結」 じゃないですか。
なんですか、この長い長い序曲がやっと終わったと思ったら、いきなり黄門様が出てきてフィナーレ、のオペラは。本編はどこへ行ったの?スペクタルはどこに行ったんですか。
え、カサノヴァが何か言ってる?
「女性は一冊の本のようなもの。内容を問わず、最初のページから楽しいと思って読まなくてはならない」 - ジャコモ・カサノヴァ -
・・・うん、まあ明日海さんはカッコイイし、衣装もセットもおしゃれですけどね。
「恨みっこなしで別れられる」という徳
ジャコモ・カサノヴァは、モテすぎてことわざに名を遺したらしい(笑)
Beware of Casanovas! ナンパにご注意ください
明日海さんのカサノヴァにならナンパされた(以下自粛)
それほどカサノヴァは女性にもてたわけですが、「女たらし」とはなろうとしてなれるものでもない。フツーの男が女性をとっかえひっかえしていると、相手を怒らせて、4人目くらいで慰謝料請求されてすってんてんとか、後ろから刺される(怖)とかしそうなもの。
だのにカサノヴァには、女性を喜ばせる為にすべてを捧げ、相手に幸せな思い出だけを残して、「恨みっこなしで別れられる」という偉大な徳があったそうです。
「恨みっこなしで♪別れましょうね♪」そんな綺麗ごとな恋心ってある?女たちが一人の男を独占欲を抱かず、みんなで愛でて、別れた後も楽しい思い出だけを残す恋って・・・
ん、あー・・・あるわ。
独占欲?アイドル同担拒否問題
ジャニオタ界隈では「同担拒否」といって、自分と贔屓が同じ人はライバル(恋敵)だ!という考えの方がいるそうです。コンサートで隣の席の人と贔屓が同じだと、嫌なんですって。
・・・うーむ、ヅカオタって、入り出とか、お茶会とか、会総見とかで「周りはみんなライバルだ!」と思ってます?
贔屓が同じ人を見つけたら「○○さんのファンなんですね!私も○○さん大好き!」と初対面で5時間くらい贔屓への愛を語り倒し、お茶会を取り次いで、会の入会申込書を渡すのがヅカオタというものではなかろうか。
公共財としての贔屓
宝塚の男役という、虚構と実在の狭間にいる摩訶不思議な存在への恋心は、
「独占欲」に悩まされない
というよさがある。絶対に手が届かない分、純粋に愛せる気がする。公共財みたいに「みんなで愛でましょう」が成り立つ気がする。
まとめ
まあ文句を言いましたが、私的なこのお話の感想は、
宝塚の男役とカサノヴァは「独占欲でなく、公共財として愛せる」という共通項がある。
ということに思い至りました。(笑)