宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

珠城さん女役だ(笑)ピガール狂騒曲

ピガール狂騒曲、配役が出ましたね。




主な配役
ジャック/ヴィクトール 珠城 りょう
ガブリエル 美園 さくら
シャルル 月城 かなと


ふっふっふ・・・珠城さん、女役だー!予想が当たったぜ。





モーツァルト クラリネット協奏曲 イ長調K.622 第3楽章 Rond.Allegro

十二夜ってどんな芝居?

原作のシェイクスピア作 喜劇「十二夜」は、男と女と男装の麗人による、複雑すぎる三角関係(笑)のお芝居です。イギリスでの上演回数は「ロミオとジュリエット」に並ぶ人気演目だそうな。


宝塚って、本来女性である男役さんが大真面目に「私は男です」という虚構を演じているところで、ファンも自分に自分でジュモンをかけて、そのウソの共犯者になってますよね。


シェイクスピア時代は舞台に女性は上がれなくて、美少年俳優が女の役を演じていたのですが、そこをあえて女形の少年に「男装の麗人」を演じさせるという知的な企みに満ちたこの芝居。



珠城さんがんばれ!「いつもの男役のたまきち」ではダメなんだぞ。「男装の麗人」を演じるんだぞ(笑)


シェイクスピアの恋愛論

このお芝居は「コメディ」というよりは、モーツアルトの協奏曲のように、品格があって、軽快で、優雅で、ゴキゲンな大人の喜劇です。


その読後感を表すのは、私の拙い筆では全く力不足ですので、吉田健一氏による「十二夜」冒頭の詩(ソネット)の翻訳を引用させていただきます。


音楽について、恋についてーそして106年間、すみれ咲く花のみちのファンのため息を飲み込み続ける海のような「宝塚」という神秘の秘密に触れるような、珠玉のソネット。

もし音楽が恋の糧になるものならば 弾き続けてくれ。

それに飽きるまで聞くことで、欲そのものが消えてなくなるようにできるものならば。


あの調べがもう一度聞きたい。 

あれは何か絶え入るような響きがあった。


それは、すみれが咲き乱れている土手伝いに来て、すみれの匂いをかすめ、また拡がらせもする南風も同様に私には聞こえた。


もう弾くのをやめてくれ なぜか、前ほどは美しく思えなくなった。


恋とはなんと絶え間なく新しくなるものなのだろう。

それは海のようにどんなものでも受け入れる広さであるのに、

そこに一度沈めば、どういうものでも、その種類や価値の如何を問わず、たちまち飽きられることになるのだ。


それほど多くの形を恋はとり、恋だけが残って、そのように変化するのだ。


ー吉田健一著 「英国の文学」よりー