宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

歌が上手ければ上手いほどチケットが売れるのか問題

私のStay Homeのお供は新国立劇場の無料舞台配信でした

舞台の幕が開かなくなってはや2か月。アンドリューロイドウェーバー作品をはじめ、様々な舞台作品の録画が無料公開されています。


私は、日本の新国立劇場が「巣ごもりシアター」として舞台作品の動画を配信していたのをぼうっと見ていました。


月組「舞音」の原作を基にしたバレエ「マノン」

3分でわかる!バレエ「マノン」|新国立劇場バレエ団

出演:米沢唯ワディム・ムンタギロフ木下嘉人、中家正博、木村優里、本島美和、福田圭吾、貝川鐵夫 ほか


最近ダイジェスト映像に解説を入れて「〇分でわかる」的な動画が多いですね。初心者のみならず、宝塚ファンでも贔屓のいる組以外はあまり見ていない方もいるでしょうし、「おうちでタカラヅカ」も参考にしてほしいなあ。


他にも宝塚でみた演目と原作が同じ作品がたくさん


星組「こうもり」

新国立劇場オペラ「こうもり」ダイジェスト映像 Die Fledermaus-NNTT

配役

ガブリエル・フォン・アイゼンシュタイン:ダニエル・シュムッツハルト

ロザリンデ:アストリッド・ケスラー

フランク:ピョートル・ミチンスキー

オルロフスキー公爵:アイグル・アクメチーナ

アルフレード:村上公太

ファルケ博士:ルートヴィヒ・ミッテルハマー

アデーレ:マリア・ナザロワ

ブリント博士:大久保光哉

フロッシュ:クルト・リドル

イーダ:平井香織




星組公演『こうもり』『THE ENTERTAINER!』制作発表 パフォーマンス(ノーカット)

星組公演『こうもり』『THE ENTERTAINER!』初日舞台映像(ロング)

こちらは「王家に捧ぐ歌」の元ネタアイーダ


新国立劇場オペラ「アイーダ」ダイジェスト映像 Aida-NNTT


アイーダ イム・セギョン

ラダメス ナジミディン・マヴリャーノフ

アムネリス エカテリーナ・セメンチュク(4月17日は森山京子)

アモナズロ 上江隼人

ランフィス 妻屋秀和

エジプト国王 久保田真澄

伝令 村上敏明

巫女 小林由佳

番手にうるさいヅカファンの素朴な疑問

ところで、日本の新国立劇場の上演(日本の税金で運営)なのに、オペラの配役、3番手くらいまで外国人ゲスト歌手ばっかりじゃね?


完成された外国人キャストもいいけどさ、日本人歌手がオペラの大きな役を演じて経験を積む、という目的は?


オペラ界の実力とチケット問題


私はクラシックは門外漢なので、知り合いのクラシックファンのブラボーさん(仮称)にリモートインタビューしてみました。


Q.なぜ日本の国立劇場のオペラ公演で、主要キャストが外国人ゲストばかりなのですか?


A.新国立劇場開場当初は、メインキャストが外国人バージョンと、日本人キャストメイン公演で役代わりをやっていたんだけど・・・日本人メインキャストバージョンがチケットの売れ行きが悪くて・・・


Q.日本人キャストも、芸術大学の声楽科を卒業して欧州留学したような方ばかりでしょう。そんなに外国人と実力が違うの?


A.日本人キャストも十分上手いよ。正直外国人キャストより上手い人もたくさんいる。


でもさ、オペラって欧州が舞台の話が多いから、いかにも日本人がメインを演じていると違和感を感じて・・・同じ代金なら欧米人のキャストで見たいかな、と思う人も多かったのでは?


(個人の感想です)

日本では、国立の劇場で税金で制作している舞台でも、チケットの売れ行きがあまりに悪いと会計監査で指摘されるのよね・・・


日本は文化への理解が低いのか?

オペラの世界でも、「歌のうまさ」と「チケットの売れ行き」が完全な相関関係にある、とも言えないのかしらね。

バレエは「子供の習い事需要」があるからまだしも、オペラはねえ・・・


日本のオペラ界でも「欧米に比べて日本は芸術への理解と支援が」うんぬんの議論はあるそうで。


欧米と日本では歴史も違って、欧米のオペラは日本でいう、


「歌舞伎でいう贔屓筋」
「おばあちゃんもお母さんも宝塚ファンの家系です。初観劇はママのおなかの中でした」



的なファンに支えられている要素もあるのでしょう。


日本でも

歌舞伎:海老蔵の子(4歳)が舞台で挨拶するのを目当てにチケットを買う客


宝塚:音楽学校の文化祭のチケット争奪戦に殺気立つファン(笑)


(野球のアマチュア高校生の全国大会を、全試合地上波生中継もすごいよね)

文化ってなんでしょうね。


「さあ、上手い芸を見せて楽しませて頂戴」という目的だけでは無くチケットを買う客必要なんだろうな。日本のオペラは、まだそういった娯楽ではないのかもしれません。

現在 では「 日本 の オペラ 史」 は クラシック 音楽 系 の 人々 が 独占 し て いる ので、「 日本 オペラ 史」 には 帝劇 の オペラ や そこ から 派生 し、 爆発的 人気 を 得 ながら も 短期間 で 消え た 浅草 オペラ について の 記述 は あっ ても、 宝塚歌劇 を「 日本 歌劇 史」 の なか に 位置づける こと は ない。 


宝塚歌劇団 として も「 売れ ない オペラ」 たち と 一緒 にさ れ たく は ない だろ う。


(略)


東京・初台 に オペラ 専門 の 新 国立劇場 が できよ う とも、 二期会 や 藤原 歌劇 団 を はじめ と する 歌劇 団 が あろ う とも、 劇場 と 歌劇 団 とが 一心同体 と なっ て いる のは 日本 では 宝塚歌劇 しか なく一年中、 歌劇 の 公演 を し て いる のも 宝塚歌劇 しか ない。


興行 という 点 では いま も なお 宝塚歌劇 が 日本 で 最も 成功 し て いる 歌劇 団 だ。


中川 右介. 松竹と東宝~興行をビジネスにした男たち~ (光文社新書)