宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

1席とばし販売でペイするのか問題と平田オリザ氏が炎上している件


2020年4月22日(水)放送の「クローズアップ現代」での平田オリザ氏のコメント

Q:政府の支援策などが出ていますが?


非常に難しいと聞いています。フリーランスへの支援に行政が慣れていないということが露呈してしまったかなと思います。


1つには、小さな会社でも「融資を受けなさい」と言われているのですが、まず法人格がないところが多いと。


それから、ぜひちょっとお考えいただきたいのは、製造業の場合は、景気が回復してきたら増産してたくさん作ってたくさん売ればいいですよね。


でも私たちはそうはいかないんです。客席には数が限られてますから。製造業の場合は、景気が良くなったらたくさんものを作って売ればある程度損失は回復できる。


でも私たちはそうはいかない。製造業の支援とは違うスタイルの支援が必要になってきている。


観光業も同じですよね。部屋数が決まっているから、コロナ危機から回復したら儲ければいいじゃないかというわけにはいかないんです。


批判をするつもりはないですけれども、そういった形のないもの、ソフトを扱う産業に対する支援というのは、まだちょっと行政が慣れていないなと感じます。



宝塚ファンとしては、そうだよなあ、舞台はモノと違って中止になった公演をあとから売る、というわけにはいかないよなあ、と思って読んでいたのですが。


どうもこの発言がネットで炎上しているそうで。

ツイッター伝言ゲーム

製造業の場合は、景気が回復してきたら増産してたくさん作ってたくさん売ればいいですよね。でも私たちはそうはいかないんです。


ツイッターの字数制限で、ここだけ抜き出されて拡散して、


「平田オリザ氏は、演劇は製造業のようにはいかないと言っている!」


→平田オリザ氏は「演劇は製造業より格上だ」と言っている


→演劇人は製造業を格下に見て上から目線だ!何様だ!


で、平田オリザ氏へこんなメールが殺到しているそうです

試みに一つだけ、いただいたメールを抜粋してご紹介します。

 

たかが演劇。なくても生きていける。

地獄に落ちろ。地獄を味わえよ。

多くの人に恨まれていたことを知れ。


 劇作家という職業を選んだ時点で、天国に行くことは断念していますが、いま地獄に行くのは嫌だなと思った次第でした。


平田オリザ氏は製造業の第一線にいる方ではないので、製造業に携わる方から


「いや、オリザさんは製造業のことをわかっていない。製造業だって、あとからたくさん売ればOKという話ではないぞ」という意見は当然あると思います。


にしても、殺人犯でもない方に「地獄に落ちろ」とは・・・このツイッター主は何の恨みがあるのだろうか・・・


あれ、トート閣下?

闇が広がる 人は何も見えない 誰かが叫ぶ 声を頼りに 彷徨う

本来はこういうことを提言する文脈の中での発言です

いま、劇場関係者の間でも、出口対策が問題になっています。いつ、どのような形でなら、劇場を開けられるのかということです。


 おそらく安全な地域から三密を避けてということになるでしょう

 問題は、大きな劇場がそれで採算がとれるのかという点です。


上記のように、採算分岐点は客席稼働率70%から80%です。

 もしも三密を避けるために一席ずつ空けるとすると最初から客席は50%となり満席でも採算割れになります。


 ですから例えば、三密を避けるための協力金として空けた分の席に補償をしてもらうという助成の仕方はあり得るかもしれません。数値も明確なので、不正は起こりにくくなります。行政としても、ある種の大義はある。


宝塚ファンにはとても興味のある提言だと思います。


宝塚歌劇団自体は劇場もスタッフも自前で、コロナ禍後も恒常的に毎日公演を打っていけば、長期的には損失を回収できると思っていますが、


経営母体も大きな痛手を受けている中、チケットを売れる枚数が半分になれば、キャトルやレストランの客も半減、舞台にかけられる予算も半分になるわけで。


再演祭り、衣裳や大道具小道具使いまわし、などを駆使しても、人件費は日々発生します。


当面チケット代を倍額となったら、受け入れられます?
(SS席を期間限定2万円、とかはありかも)


うどん県でも、GWに営業自粛したうどん屋さんに休業補償をしておりますし、
財源等実現の可能性はともかくとして、無茶な提言でもあるまいと思うのですが。