宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

華ナウシカ、柚香クシャナ、ユパ瀬戸、クロトワ水美、アスベル永久輝

皆様、いかがお過ごしでしょうか。


週末、映画館で「風の谷のナウシカ」がリバイバル上映されましたので、行ってまいりました。(ほんと、地方は、イオンが最大級の娯楽なのです)


風の谷のナウシカ、まさかの映画館でリバイバル上映


『風の谷のナウシカ』 特報【6月26日(金)上映開始】



幻の主題歌、かぜのたにの♪ な↑う↓し↑かー↑


ナウシカでラスト、おばば様が


「その者 青き衣を纏いて 金色の野に降り立つべし 古き言い伝えは真であったか」
「ラン・ランララ・ランランラン♪」


のところ、本来はこの、安田成美さんの幻の主題歌が入る予定だったらしい。


いろいろ事情があり、急遽、「ラン・ランララン♪」を当時4歳だった作曲家久石譲さんのお嬢さんが歌ったのですが、


楽曲ってまずサウンドから古びることが多いのだけれど、あの幼い子がアカペラで必死に歌うところって古びないですよね。


「ナウシカーア」というキャラ自体、ギリシャ神話に元ネタがあるんですけれど(予告の表記が独特でしょ)、


「ラン・ランララ・ランランラン♪」という古代から響くようなアルカイックな歌声が、この映画に、現代の神話としての格調を与えていると思う。


(安田成美さん版も、いかにも80年代アイドルソングな佳曲だと思います。味のある歌い方だよね💦)


歌舞伎版ナウシカ予告も貼っちゃお

新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』ディレイビューイング本予告


なんで寺島しのぶがナウシカ(自粛)


↑この音楽は監督に「文明崩壊の音を作って」と無茶ぶりされて作曲したそうです。
砂上の楼閣がさらさらと、音もなく朽ちてゆく響き。


歌舞伎でナウシカをやったんだから、宝塚でもやれないことはないでしょう。

妄想配役

ナウシカ:華

クシャナ殿下:柚香

ユパ様(流浪の剣士):瀬戸

クロトワ(クシャナの腹心):水美

アスベル(亡国の王子):永久輝

異論は認める!(逃)


昭和のころは、東西冷戦と核戦争の話だった

このナウシカねえ、子供のころ、映画館でなく、地元の農村環境改善センターで企画された「農村に映画を巡回上映運動」で、会館に白い幕を張って、映写技師さんが映写機で上映するスタイルで見ておりまして。(リアル僻地育ちなもので💦)


ナウシカが公開された1984年は、アメリカとソ連が対立し、核戦争の恐怖が世界を覆っていたころでした。


僻地で虫と遊んでいた子供ながらに、心のどこかで、「誰かがミサイルを飛ばして 世界が終わるんだ」というぼんやりとした、終末の予感を抱いていた記憶があります。


(北斗の拳とか、メジャーな少年漫画にもそんな気配があった)


世界を崩壊させた「火の七日間」によって、放射能の暗喩であろう「腐海の瘴気」が世界を覆うとか、「トルメキア対ペシテ」の構図も、当時の冷戦情勢になぞらえていたのでしょうね。


それから36年もの年月が経過し、もうソ連は無くなったのだけれど、


今でも某大国の対立(またそれを煽る指導者)とか、


ウイルス対策で「マスクをしないと外を歩けない状況」とか


なぜ、世界は、こうなってしまったの・・・


子どものころ見た作品を大人になって再見すると、ほんといろいろ思うことがあります。


「風」を描くということ

映画館の大画面で見ると、画面から風の谷の「風」を感じました。


レオナルド・ダ・ヴィンチが「優れた絵画は、空気を描ける」と言ったそうですが、


お話の舞台の「風の谷」は、名前のとおり、海からの風がずっと吹き付ける谷なんですけれど、劇中人物の髪や服がずっとたなびいている(これ全部手書きの「セル画」ですよ)


メーヴェ(ナウシカの乗るグライダー)の翼が風を受けて、浮力を得て滑空する時の気流の流れが見える気がする。


当時スターウォーズはもう公開されていて、実写や特撮による、大迫力の空中戦が売りのハリウッド映画もありましたけれど、


ナウシカはハリウッドのような莫大な予算もなく、今のようなCGも無く、宮崎駿氏の脳と手(とスタッフの手作業)がこの動きを作り出したのだと思うと・・・気が遠くなる💦


時節柄、「映画館でぜひどうぞ」と言いづらい状況ですが、貴重な映画体験ができました。