宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

宝塚は110周年を祝えるのだろうか 破産は嫌だよ…

あのシルク・ドゥ・ソレイユが破産とは


カナダに拠点を置く世界的なサーカス劇団「シルク・ドゥ・ソレイユ」が29日、同国の破産法に基づき、会社更生手続きに入ると発表した。


「シルク――」は新型コロナの影響で、3月以降、各地の劇場公演を中止し、約9億ドル(約970億円)の債務返済ができなくなった。申請に伴い、ダンサーを含めスタッフのおよそ95%にあたる約4700人を解雇すると発表した。


劇団四季は6月17日にクラウドファンディングを開始し、7月4日時点で1億6000万円弱の寄付があったそうです。


シルク・ドゥ・ソレイユほど世界に数多くのファンを抱える企業であれば、寄付を募れば・・・とも思うも、970億円もの負債では、もういったん負債を整理して、リセットしないと始末がつかないのだろうなあ。


1984年創設だから、36年目の解散。宝塚より70年も短い寿命・・・宝塚だって110周年を迎えられるかどうか・・・


最初期のショー”O”の衝撃


シルク・ドゥ・ソレイユ~”O”( オー)~


それまでサーカスと言えば、木下大サーカス的な、ライオンの火くぐりとか、アメリカンなピエロとか、古風な空中ブランコがゆやーん・ゆよーん、な世界だったものが、


この”O”の映像を見た時は衝撃だったなあ。装置どころか床や壁そのものが動き、ノンストップで繰り出されるめくるめく演出、徹底した美意識で統一された音楽、衣装、照明。


元オリンピックのナショナルチーム所属、といった経歴の方たちが、競技引退後、芸で生計を立てられる場を創出した、というのも画期的だった。


90年代以降は、ラスベガスで常時8か所くらいで「シルク・ドゥ・ソレイユ」のショーが行われるようになっていたと思う。


終わりの始まりは感じていた

明日海さんがコンサートをやった舞浜アンフィシアターは、もともと2008年にシルク・ドゥ・ソレイユの「常設劇場」として建てられたもの。


そこで本来は10年以上のロングラン前提で製作されたショー「ZED」は、2008年10月に開幕するも観客動員が伸びず、2011年12月で閉幕、撤退。正直それでは投資額を回収できなかっただろうなあ。


ちょうどリーマンショックや東日本大震災に見舞われたのも、不運だったと思う。


でも、なんとなく、もうこの頃には、エンタメの賞味期限的に難しい時期だったのだろうと察しがつくのよね。


日本でロングランかなわず撤退した”ZED”

ZED - シルク·ドゥ·ソレイユ - 02 ショーについて


もう何を見ても、”O”初見の衝撃を超えられない。


どのショーを見ても、「ああ、シルクのショーだ」という印象が強くて、だんだん新鮮なオドロキを観客に提示できなくなってきたんだろうなあ。


上海雑技団や木下大サーカスも、シルクに刺激を受けて進化していって、アクロバットの技自体は、それらの興行でも普通に見られるものになってきて。
(しかも料金は5分の1)


創業者(宝塚でいう小林一三氏的な方)も2015年に制作・経営を離れており、ビジネス的な判断でいえば、もうコンテンツとして潮時と判断されたのかもしれない。


木下大サーカス紹介動画


↑最近はライオンさんの「輪くぐり(火の輪でない)」になっていた。


サーカスの技やショーの演出のノウハウって、「宝塚の男役芸」的なもので、舞台の上で演じられないブランクが何年もあると、失われてしまって、


数年して状況が落ち着いたからさあ、再開ともいかない(演者たちも別の道で生活基盤を築いていたり、ファンの熱が冷めて戻らなかったり)


この世界観は、もうこの青い星の上で、2度と生で見ることはかなわないのだろうか?