ロミジュリを映画で予習!ディカプリオ版かオリビア・ハッセー版か
ロミオとジュリエット 役替わり祭り!
でも上演は来年の話。待ちきれない!ウキウキ♪ワクワク♪そーわそーわ♪ドキドキ♪
ふと考えたら、100周年以降にファンになった方にとっては、過去の上演の映像は現在、版権の関係でアクセスしにくい状態なんですよねえ。
BOXセットの販売が待ちきれない、というあなた、芸術の秋、原作の映画版で予習はいかがでしょう?
ロミオとジュリエットは過去に何度も映画化されていますが、現在、配信サービスで視聴できる有名どころを2つご紹介!
定番ならこれ 1968年 ゼッフィレリ監督版
ロミオとジュリエット (日本語吹替版)
ジュリエットを演じるオリビア・ハッセーが、この1作で、シェイクスピア映画だというのにアイドル映画並みにフィーバーを巻き起こし、映画界に名を残しました。
監督はイタリア人のフランコ・ゼッフィレリ。ゼッフィレリさんは服飾業界の家に生まれ、リアル上流階級で育ち、リアル貴族のヴィスコンティ監督に師事し、オペラの演出に携わっていた方で、
とにかく、映像が「ああ、本場の本物ってこういうことなんだ!」
変な例えですけれど、半沢直樹のチーム歌舞伎の方々の顔芸を見て「ああ、この人たち本職だわあ。日本の伝統の根っこって、ここなのねえ」と思う感覚というか。
西洋の古典絵画に描かれた人物が、そのまま命を得て動き出したのを見るような感動があります。
モンタギューは青、キャピュレットは赤、の色分けも、この映画のきっかけとなったゼッフィレリの舞台版「ロミオとジュリエット」が大本らしい。
50年以上前の映画ですが、今見ても、登場人物皆、本当に瑞々しく、リアルな息遣いを感じる。それまでの舞台や映画では20歳超えのジュリエットがほとんどだった中、オリビア・ハッセーは当時15歳。
演技指導も上手いんだろうな。リアル10代の出演者がシェイクスピア劇を演じるって、柴田作品を音校生が演じる並みに大変ですよ。
この映画は今でも、イギリスで国語の時間に教室で見さされる定番らしいのですが、オックスフォード大学進学コースのエリート学生も楽しめるし、
やんちゃしすぎて少年鑑別所にいる生徒💦に見せると、最初は
「古典?関係ねーよ。けっ」
と言っていたワルが、居眠りもせず見入っていると思ったら
「ああ、他人事じゃねえ!これは俺の事だ!(号泣)」
というから凄い。
とにかく本物で、本格で、正統的。見放題ではなくて、各種配信で400円ほどかかりますが、
うどんランチ1回でもそれくらいかかると思えば、お金を払ってみる価値は絶対あり!
お勧めは吹き替え版
ちなみにこの映画は、各種配信サービスで字幕版と吹き替え版の両方が配信されておりますが、個人的なオススメは吹き替え版。
原作は、なにせシェイクスピアなのでセリフが膨大なのですよ。それが字幕だと、一度に表示できる文字数に制限があるので、セリフの情報量をだいぶカットした意訳になってしまって、字幕だけ見ると「?」になりかねない。(シェイクスピアの英語を耳で聞いてわかる方はともかく)
プロの声優による吹き替え版のほうが、字幕よりも原作のセリフのニュアンスを再現しやすくて、いかにもシェイクスピアなテンポ良いセリフの応酬の妙味を堪能出来て、オススメです。
変化球1996年 ディカプリオがロミオ
Inside Hilary Duff's Family Home With A Chicken Coop | Open Door | Architectural Digest
現代的な映像美で知られるバズ・ラーマン監督版。舞台を90年代のメキシコシティに移し、モンタギューとキャピュレットの対立をギャングの抗争に置き換えております。
『タイタニック』でブレイクする寸前のディカプリオの、ガラス細工のように繊細ではかない、一瞬の「時分の花」を美しい映像に閉じ込めてくれただけでも、
「ありがとう!」
でございます。
個人的には…原作は貴族のボンボンという設定なのでまだうっとり見ていられるんだけど、映画のメキシコギャングたちがあまりにも品の無いワルすぎて「仁義なき戦い」感がすごくてねえ。ちょっと酔い切れないんだなあ。
番外編 ケネス・マクミラン振付のバレエ版の映画化
映画化された中で最新版は、なんとバレエ版。2020年3月公開の予定が、コロナ禍で災難なことになってしまいました。
1965年のロンドンのロイヤル・オペラ・ハウス初演時には、「カーテンコール43回」という伝説をつくったそうで💦
日本の新国立劇場バレエ団による「3分でわかる!」動画
3分でわかる!バレエ「ロメオとジュリエット」|新国立劇場バレエ団
フレンチ・ミュージカル版の場面設定、装置、はこのバレエ版がルーツかな?