宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

劇場版『鬼滅の刃・無限列車』感想これは大ヒットして当然だわ


劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 

ちびっこに大人気の「鬼滅の刃」の映画を最前列で見てきました。目より首が痛い・・・


いやーっ地方のイオンシネマだというのに、1日に15回も上映するというスクリーンジャック状態!映画館があんなに混んでいるのは久々でした。


この手の映画は、ちびっこのお供に必ず大人が付いてくるわけで、ある程度の興行収入が見込める分、作画の書き込みも凝っていて、映画館の大画面で見る価値は十分あり!


ストーリーの構成にも感心いたしました。子供の財布は大人が握っているわけで、子供だましでなく、作品についてよくわからないまま付き添いで来た大人も居眠りさせず「ほう、面白いなあ」と思ってもらえれば、その後のグッズ販売にもプラスですからね。




劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 本予告 2020年10月16日(金)公開



あらすじ


家族を鬼に喰われ、生き残った妹(禰豆子 ねずこ)も鬼と化してしまった主人公竈門炭治郎 かまどたんじろう)。


鬼を退治し、妹を人間に戻すため、炭治郎は厳しい訓練を積み、鬼退治集団「鬼殺隊(きさつたい)」の一員となる。


今回は、短期間のうちに乗客40人以上が行方不明となっている≪無限列車≫の調査のため、仲間と偉大な先輩(火柱(火組のトップみたいなもの)の煉獄杏寿郎)と共に、無限列車に乗り込む。

感想(ストーリー構成編)”20世紀号に乗って”的疾走する密室劇

映画の世界では昔から「列車もの」とでもいうジャンル(古くは大列車強盗、最近のヅカでいうと”20世紀号に乗って”とか)があって、


列車の中で偶然(を装う場合もある)乗り合わせた者同士が、車内で事件がおこり、目的地に着くまで降りることもできず、力を合わせて解決する、というのが王道パターン。


「列車もの」は


登場人物と空間と時間が限定されている、1幕もの室内劇的要素 がありながら、


疾走する列車のスピード感(お約束、列車の屋根の上の決闘)もあり、


限られた時間と空間、人物しか使えない分、プロットやセリフに工夫が必要で、ラストに向けて一直線にストーリーが進んでいくので、けっこう名作が多い印象です。


そして主人公たちが無限(夢幻)列車で出会う第1の敵は魘夢(えんむ)、人の夢の更に底に潜む無意識空間の「精神の核」を破壊する作戦を使います。


主人公たちは列車内で術で眠らされ、彼らの「精神の核=鬼殺隊に入るきっかけ」の夢を見、夢に閉じ込められ、そこから出ようともがく。


コミックスやアニメで語られてきた膨大なストーリーを知らない一見の観客に、スムーズに主人公の背景を知らせることができて、それが映画のストーリーの核になる。


普通の映画で「現在」と「回想」が混在すると、客が今見ている場面はどの時間軸なのか混乱することがあるけれど、この映画では電車内が「現在」で夢が「回想」だから混乱しない。


ストーリー展開が上手だなあ、と思いました。


「起きて戦え!」

主人公は夢の中で、鬼に喰われて死んだはずの優しい家族たちに出会い、いっしょにごはんを食べて、たわいもないことで笑いあって。


「ああ、ずっとここにいたい。現実が夢で、夢が現実なんだ、もう醒めたくない」


大人になると、こんな話を見るとせつないねえ。子供の頃は父が車を出してくれて街の映画館に行って、隣どうしでポップコーンを食べ合って。帰りの車内でずっと感想を言い合って。今ふっと隣を見ると、父でなく息子が画面を食い入るように見つめながらジュースを飲んでいるよ。



でも、これは罠。まやかしのあたたかな夢の中に居続けることは、死を意味する。


「起きて戦え!」


そう、私には守るべきものがある。とっくに大人に、親になったんだから。


この映画を見ている子供たち、うちの息子だって、庇護を離れ、大人の階段を昇って、闘わなくてはいけない時がくる。


これはドイツ語でいうBildungsroman(ビルドゥングスロマーン)優れた自己形成小説、成長小説でもあるんだなあ。


まとめ

宮本武蔵をあんな台本にしたサイト―君、壬生義士伝をあんなにした石田センセ―、


ぜひ勉強に見てらっしゃい。




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