宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

聖乃蘭丸って「ヒロインを応援するオネエの親友」枠を超えているよね


聖乃さん演じる蘭丸くん、いい味をだしていますよね。


あの役柄、ハリウッド映画のラブコメだと、ヒロインの恋路を応援するやたら陽気なオネエ枠💦だよね



なぜこの「ゲイの親友キャラ」が批判されるのかというと、このキャラは自分自身の人生とか内面を持つことを一切、許されていないからです。


何の仕事をしているのかとか、人生でどういう問題を抱えているのかとか、そういったことが全然描かれず、異性愛者のキュートなヒロインのことを無条件で愛して助けてくれます。


観客の同性愛嫌悪を刺激しないよう、性生活についてはほとんど触れられません。


さらにたいがいは「ゲイの男性は美的感覚が優れていてオシャレだ」というステレオタイプも絡んでおり、ヒロインの着るものとか髪型とかを決めるのにアドバイスをしてくれます。

そうそう。ハリウッド映画のラブコメで、なぜかしらんヒロインの恋路を全力で応援してくれて、


ドジなヒロインがダサいカッコしているのを、ファッションチェックしておしゃれに変身させる、やたら陽気なオネエ!


一昔前のラブコメだと、その手のオネエは普段何をしているのか、職業とか内面とかよくわからない、賑やかしのためにおるんかい!なキャラになりがちなのよねえ。


日本の芸能界に昔からいらっしゃるオネエの方々の芸風も、ひょっとしたら視聴者が求めるステレオタイプなオネエ像に、あえて寄せているのかな?と思うところもある(もうこれは視聴者にはわからないけれど)



で、蘭丸ですよ。


ヒロインの幼馴染の歌舞伎の女方、という設定にして、紅緒への恋心や、女性らしさにこだわることも仕事への矜持として無理なくコミカルに表現し、


第2幕の紅緒と少尉の再会のきっかけに日本舞踊で協力する、作品世界に血の通ったキャラとして存在していて、


70年代の作品ですが、今見ても上手いなあ、と思いました。