ダル・レーク カマラはジュリエットと同い歳
※今回の話は真面目モードです。
ダルレークの恋 ポスターUP!
きれい・・・圧倒的な美に沈黙するわあ・・・
美貌が特権的に人々の心をわしづかみにする by三島由紀夫
さてクイズです。
1959年に春日野八千代演出・主演により初演された時の、ヒロイン・カマラの年齢設定は?
・・・って、タイトルでばれておりますね。
これは1997年の再演の時に、確かどこかで読んだのですが、
初演では
「カマラも数えで15歳になったのだから」
というセリフがあったそうです。
まあ日本でも女性の婚姻は16歳からできますし、童謡に「15でねえやは嫁に行き」という歌詞もありますが、
この15歳は数え年。
昔は生まれていきなり1歳、お正月がきたら、その年に生まれた子はみんな一斉に2歳となります。
つまり、カマラは満年齢では13歳!
「ダル・レークの恋」の舞台設定がいつなのか、劇中にチャールストンを踊る場面があるので、1920年代くらいかなあ。
400年前の「ロミオとジュリエット」でも、原作のジュリエットの年齢設定は13歳なので、昔はそんなものだったのでしょうね。
海乃 美月さんカマラは、さすがに13歳よりも年齢設定を上げると思いますが・・・せめて23歳?
現代の13歳の花嫁たち
まあこれはフィクションのお話ですが、現代でもインドなどの農村部では、貧しい家庭の女の子が23歳まで独身で勉強に専念できることはめったに無い、という現実があります
途上国では、約3人に1人の女の子が18歳未満で結婚
早すぎる結婚により、教育の機会が奪われるだけでなく、幼いうちの妊娠や出産により身体的なダメージを負うこともあります。出産は女の子の主な死因になっています。
作者、菊田一夫が潜ませた思い
なんで宝塚版で辛気臭い話を、と思われる方もいらっしゃると思いますので、一応説明させていただきますと、
作者の菊田 一夫さんは宝塚の専属演出家ではなく、外部(東宝)の著名な演出家で、極貧の家庭に生まれ、丁稚奉公に「売られる」形で児童労働にあけくれ、恵まれない少年時代を過ごしました。
劇作家として名声を得てからも、「霧深きエルベのほとり」などを見ると、恵まれた上流階級の方たちの、貧しい者たちへの冷酷な目線について、思うところがあったんだろうな、と感じます。
1997年の再演版を拝見した時、劇中のカマラの家族の言動とか、ラッチマンからカマラへの言動について、現代の観客から見ると「?」と思うところがあるのですが、
今思うとその根っこは菊田一夫の、観客(生徒)のほとんどがある程度恵まれた中流以上の女性であろう宝塚でのラブロマンスに、こっそり忍ばせた爆弾だったのかも、と感じました。
こんなことを考えたきっかけとなった、宝塚OGのインタビューを紹介させていただきます。
宝塚は女性の劇団じゃないですか。宝塚を愛してくださる皆さんに世界中の女性のことを少しでもいいから知ってもらいたい。世の女性たちのパワーになれたらいいなと‥」
子供の権利を推進して、貧困や差別をなくしたい。「国際NGOプラン・インターナショナル」という活動があるのを在団中に知り、ホンジュラス共和国に住む7歳の女の子、エルサちゃんの〝親〟にもなったほどだ。