シラノ・ド・ベルシュラック後、特別顧問はどうなさるのだろう
轟理事は、特別顧問になられたのですね。
轟の特別顧問就任で、現役生徒の理事は専科の英真(えま)なおきのみ。また特別顧問は元劇団理事長で「ベルサイユのばら」の演出などで知られる植田紳爾氏、小池氏、松本、轟の4人体制となる。劇団は「理事会などの出席はなくなりますが、これまでの活動と大きく変わることはありません」としてる。
これまでの活動と大きく変わることはありません…うーむ少しは変わるのか?
小池先生は作・演出を続けるのでしょうが、生田先生メインで監修小池、みたいな立ち位置が増えるのかなあ。
轟さん・・・もう「元」理事となったわけですが、小池先生のように65歳定年というわけでもなく、これまでと活動が全く変わらないなら、わざわざ理事を退任する必要があったのだろうか?
理事のお仕事って?
・理事会への出席
劇団の定款がどうなっているのかよくわからないのですが、トップ人事や新人公演で誰を抜粋するか、といった重大事項については、理事会審議事項だろうと思うのです。
生徒理事という役職は、劇団の重要事項の決定には、阪急電鉄から来た経営陣や演出家の先生の意向のみならず、実際に同じ舞台に立つ生徒の意見を求める必要がある、という考えで置いていると思うのです。
当面は、英真なおきさんがその役職を担うのでしょうね。
後任のトップ経験者理事を置くのだろうか・・・誰?
いや、轟(元)理事が降臨すると、若手の蓋だなんだと言われているのは存じておりますし、大劇場に理事が降って主役を張るのは「うーん」と思いましたけれど、
路線に経験を積ませたいが、まだ東上のタイミングではない、とか、いろいろ事情がある時に、調整の意味で理事が降ったほうが収まることもあるでしょうし・・・
後任理事を置くのか・・・理事になると、もう結婚せず、劇団に一生を捧げる覚悟が必要なのでなあ・・・
私はファンとしては、○○さんに理事として残ってほしい、と言えない…
・理事降臨→特別顧問特出?
↑このブログで最初にバズった(当社比)記事がこれ💦
轟さんが理事から特別顧問に名称が変わった、ということは、これを区切りに大劇場に主演としては降臨せず、
たとえば花組の次回大劇場公演「アウグストゥス」に、カエサル役で降臨する、といった立ち位置にシフトするのかな・・・と思ったり。(いや、花組で誰がカエサルをやるのかな?と思って)
シラノ・ド・ベルジュラックという演目に思うこと
本来だったら、この発表の頃には、理事主演「シラノ・ド・ベルジュラック」が終わっていたころだったんだなあ。
あらすじ
主役シラノは、ずば抜けた剣術の腕と文才を持つも、自分の容姿にコンプレックスを持ち、女性に告白することができない。
シラノの意中の女性ロクサーヌの想い人は、イケメンだがボキャ貧のクリスチャン君。ああ複雑な三角関係。
シラノは自分の想いは胸に秘め、ロクサーヌとクリスチャンの恋の成就のため、一肌脱ぐのであります。
このお芝居は1897年の初演以来、ずーっと世界中で演じられている古典でして、
お話の面白さのみならず、
酸いも甘いもかみ分けた人生のベテランが、若者を叱咤激励して育てるという構造が、演劇の「芸の継承」に重なる、よくできた話なんですよ。
男役 真ん中芸の継承
男役芸というのは、おそらく世界でも、宝塚の現役生200人くらい(+OSKとか?)しか継承者がいない、超レアな特殊技能で、
たとえば、ブロードウェイで歌うまダンサー女性を80人集めたら、宝塚よりよっぽど上手い、男装の麗人と淑女のレヴューができるか、といったら・・・
うーん・・・上手いでしょうが別物だろうなあ・・・
私は轟さんは、ポーの一族における大老、キングポー的な方として貴重な存在と思います。
轟さんは、天海祐希世代以前の、宝塚の男役芸の最も濃い血(エナジー)を保ち続けていて、彼女と同じ板の上に立って芝居をすることで、伝えられる芸ってあると思うんですよ。ねえ、縣。
演出家は稽古場では教えられるけれど、舞台に上がったら、芝居はもう役者と観客のもの。
役者は、共演者に鍛えられながら育つもの。
素晴らしい専科のお姉さまたちはいらっしゃいますけど、彼女たちはいわゆるセンター育ちではない。
舞台の全てを引き受けて、真ん中にズンと立つ居方を伝えられる方って貴重だと思いますし、これからの轟さんで見たい役もある(カエサルとか)ので、
私は、轟特別顧問の今後の活躍を楽しみにしております。
で、今後なんとお呼びすればいいのでしょう・・・顧問?私はトップ時代はもっぱらトドさんと呼んでいたけれど・・・