宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

朝ドラ「おちょやん」に宝塚月組ネタ!95年前にマンガ原作!


朝ドラ「おちょやん」に月組ネタ!



ヒロイン千代(杉咲花)が山村千鳥(若村麻由美)が座長を務める一座に入団するも、座長の千鳥は芝居を教えてくれず、雑用ばかり。


千鳥は歌舞伎舞踊的な演目にこだわるも、客の評判はイマイチ・・・


先輩団員の清子(映美くらら)は頭を抱えていた。


一座では客の不入りが続いており、このままの状態が続けば、公演は今月限りで打ち切られてしまうというのだ。


そこで清子が千鳥の家を訪れ、客を呼ぶために「正チャンの冒険」という人気漫画を舞台でやることを提案。衣装案や台本を書き上げ、千鳥にそれを差し出した。


その際、清子は千鳥に「ついこのあいだ、これを宝塚歌劇団が上演して大盛況だったそうです」と説明。


おおお、映美くららさん、元月組トップ娘役でいらっしゃいましたねえ。もう20年近くたったのねえ・・・


「正チャンの冒険」とは1924年~1925年にかけて朝日新聞に連載された、主人公の少年がリスやネズミの仲間と共に冒険する、子供向けマンガの元祖のような作品だったそうです。(1924年10月、宝塚月組公演での上演記録があります)


座長の千鳥はキレて「私はそんな芝居には出ません!やるならあんたたちだけでやりなさい!」となり、


先輩の清子が主役の正ちゃん役で、稽古に挑む(ヒロイン千鳥は「ネズミ3」役)も、


主役が本番直前に足を捻挫!どうする!



まあ、ネタバレになりますので・・・ 最近月組で似たような話があったような・・・


モンパリ前夜の宝塚の演目


宝塚の歴史は、


1914年(大正3年)に「ドンブラコ」



1927年(昭和2年)に「モンパリ」



13年の間に、桃太郎からムーランルージュに進化!したわけですが、その間に何があったのか?


調べてみたら、宝塚で「正ちゃんの冒険」を公演していた頃の資料を発見しました。



演目情報1 お伽歌劇 正ちゃんの冒険

宝塚少女歌劇団 月

星朝風作・振付

坪内士行振付


演目情報2 歌劇 葛の葉

宝塚少女歌劇団 月

阪東のしほ改作・振付

堀正旗作歌


演目情報3 喜歌劇 フルスピード

宝塚少女歌劇団 月

坪内士行作・振付


演目情報4 歌劇 お夏笠物狂

宝塚少女歌劇団 月

久松一声作・振付


演目情報5 バレー  ジプシーライフ

宝塚少女歌劇団 月

ルウジンスキー按舞


ドンブラコから10年、モンパリの3年前に、


マンガ原作に、
歌舞伎ネタ?(「白鷺の城」でやっていた「葛の葉」っぽいの?)
喜歌劇(オペラや海外ミュージカルほどは歌わない、セリフ主体の歌入り芝居のこと)、



葛の葉?

宙組公演『白鷺(しらさぎ)の城(しろ)』『異人たちのルネサンス』初日舞台映像(ロング)


当時の「お夏笠物狂」ってこんな感じ?

日本舞踊「お夏狂乱」の稽古風景


大正時代にバレエ(ルウジンスキー按舞)というのが凄いな・・・



大正時代、ロシア革命で日本に亡命したロシア人の中に、宝塚音楽学校バレエ講師を務めた方がいたそうです。




宝塚ってなんだ?と考えた時に、「タカラジェンヌがやっていれば、ぜんぶ宝塚!」としか言いようのないような、面白ければ何でも取り込んでしまう、貪欲な雑食性があると思っているのですが、


宝塚アーカイヴスでもあまり紹介されない時代にも、着々とその芽は育っていたんですね。