宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

時を駆けるクロノスケ「元禄バロックロック」江戸にフランス革命を!


大石内蔵助:え?



映画『決算!忠臣蔵』予告90秒 11月22日(金)全国ロードショー




忠臣蔵ファンタジー

『元禄バロックロック』

作・演出/谷 貴矢


花、咲き乱れる国際都市、エド。そこには世界中から科学の粋が集められ、百花繚乱のバロック文化が形成されていた。


元赤穂藩藩士の優しく真面目な時計職人、クロノスケは、貧しいながらもエドで穏やかに暮らしていたが、ある日偶然にも時を戻せる時計を発明してしまい、人生が一変する。時計を利用し博打で大儲け、大金を手にしてすっかり人が変わってしまったのだ。


我が世の春を謳歌するクロノスケであったが、女性関係だけは何故か時計が誤作動し、どうにも上手くいかない。その様子を見ながら妖しく微笑む女性が一人。彼女は自らをキラと名乗り、賭場の主であるという。クロノスケは次第に彼女の美しさに溺れ、爛れた愛を紡いでいくのだった。


一方、クロノスケの元へ、元赤穂藩家老クラノスケが訪ねてくる。コウズケノスケとの遺恨により切腹した主君、タクミノカミの仇を討つために協力してほしい、と頼みに来たのだ。だがそこにいたのは、かつての誠実な姿からは見る影も無くなってしまったクロノスケだった。


時を巻き戻したいと嘆くクラノスケに、時計を握りしめ胸の奥が痛むクロノスケ。だが、次の言葉で表情が一変する。コウズケノスケには、キラと言う女の隠し子がいることを突き止めたと言うのだった・・・。


元禄時代に起きた実話をもとに、様々なフィクションを取り入れ紡がれてきた、忠臣蔵。古来より普遍的に愛されているこの物語を、愛とファンタジー溢れる令和の宝塚歌劇として、エンタメ感たっぷりにお送りします。


クロノスケとキラ、二人の時がシンクロし、エドの中心で愛が煌めく。バロックロックな世界で刻む、クロックロマネスク。


この公演は、演出家・谷貴矢の宝塚大劇場デビュー作となります。


紅子:いやーっ、こんちゃんさんも普段、YouTubeにあがっている懐メロ替え歌がどうの、しまいにゃ漢詩がどうのと「おまえそれ宝塚に関係ないだろ!」なネタでふざけまくっているけどさ、




大石内蔵助?が 時をかけるクロノスケ!



ふ・ざ・け・ん・な!



世界文化遺産の歌舞伎に謝れ!近松門左衛門にあ・や・ま・れ!




管理人:まあまあ。まだ見てもいない作品をけなしてはいけません。


それに、この「時をかけるサムライ」のアイデアは、或る意味カブキの本来のバロック精神ともいえるのよ。




浄瑠璃。1748年初演。通称〈忠臣蔵〉。近松門左衛門の『碁盤太平記(ごばんたいへいき)』をはじめとする多くの先行作に基づき「太平記」の世界を借り、


赤穂(あこう)浪士の仇討を脚色。背景を《太平記》の時代に置きかえて史実の浅野内匠頭は塩冶判官(えんやはんがん),吉良上野介は高師直(こうのもろなお),大石内蔵助は大星由良之助という役名で登場する。


紅子:え、歌舞伎の元ネタの近松門左衛門の『碁盤太平記(ごばんたいへいき)』も歌舞伎でおなじみ「仮名手本忠臣蔵」も、背景が「太平記」つまり、「桜嵐記」の世界に置き換わっていたんだ。


管理人:なぜこんなことをしたのかというと、江戸時代は武家のスキャンダルをそのまま上演したら幕府の検閲が入って上演中止!になったらいけないので、


「この物語は過去の世界を舞台にしたフィクションです。ほら、太平記の高師直が出てるでしょ」という言い訳のため。


あとね、昔の人は、現代人とは「歴史」とか「過去・現在・未来」というものに対する考え方が違うのよ。


過去から現在、そして未来という直線型の時間軸というより、「回る、回るよ時代は回る」という円環的な時間軸、


だから、幕末の「王政復古」とか、リベラルのはずが何故か古代に回帰したりする。


江戸幕府というのは、とにかく安定志向で変革をしたがらない組織で、江戸の町人たちも、社会とは過去に続く現在、体制の維持が大事、



お上に不満はあっても、体制転覆とか、「未来」を変えよう、という発想はなかったのじゃないかな?



だからクロノスケの発明も時を戻せる時計なのね。その時計は未来には行かない。


「ウィーンにフランス革命を!」と夢見たルードヴィヒのように、江戸っ子が1789年のヴェルサイユに行って「江戸にフランス革命を!」なんて「未来」を考える、という発想は無かったんじゃないかな。



時をかける少女 / 松任谷由実 Matsutoya Yumi Japanese song [ study Japanese ] ( Lyrics )[ 朗読 ]