宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

あれ、ニジンスキーさんが殺される話じゃなかったの?

※思いっきりネタバレしております。


皆様、連休をいかがお過ごしでしたでしょうか。


休日だというのに、ネタが「愛」だの「死」だの「井戸の怪物」だのと重苦しいブログをお読みいただき、本当にありがとうございます。


しかし我ながら、書いていて肩がこるし、他人の言葉の引用ばかりで、「自分の言葉」に乏しいブログだなあ・・・


というわけで、今日は管理人のホンネを、正直に。

正直、「犯人捜し」ミステリーとしては中途半端?

スイスのリゾート地サン・モリッツに佇むHotel Svizra House(ホテル スヴィッツラ ハウス)。


第二次世界大戦中期、ナチスドイツの脅威が広がるヨーロッパにおいて中立国であるスイスは“謀略の十字路”と呼ばれ、様々な国籍、階級、職業の人々が行き来していた。戦火を逃れた富裕層が集うこのホテルに、今日もまた一人、新たな客がやって来る。


オランダ貴族の父とバレエ・リュスのダンサーを母に持つロベルト・フォン・アムスベルクは、ロンドン駐在の外交官として多忙な日々を送っていたが、彼の真の任務は、英国情報部の為に働くスパイキャッチャーとして、敵国のスパイを摘発することであった。


ある重要なミッションを受けてサン・モリッツにやってきたロベルトは、ドイツ軍のパリ占領により失業したバレエダンサーのニーナと出会う。


ホテルではロシアの亡命貴族ミハイロフ伯爵が主催するニジンスキー救済のチャリティ・バレエ公演が予定されており、ニーナはその公演で踊るためにやって来たのだった。


そこに、この公演のスポンサーで、芸術のパトロンでもあるオーストリアの実業家ヘルマン・クラウスナーが、艶やかな美女アルマを伴い訪れる。


戦時下の情報戦を戦い抜く男たちのドラマと、芸術を愛し守ろうとする人々の熱い想いを絡め、先行きの見えない日々を精一杯生きる人々のヒューマン・ドラマに、20世紀初頭のパリで華開いた“バレエ・リュス”の輝きへのオマージュを散りばめたオリジナル・ミュージカル。


国家的使命と人間的感情の間で葛藤する男ロベルトを演じる真風涼帆を中心に、知性とエレガンス溢れる作品としてお届け致します。



記事タイトルは、ライビュの幕間でのトイレで聞こえてきた会話です。



まあ、戦争でニジンスキーの精神(芸術)が殺された話ですね。



このお話は、作者のパンフレットでの解説によると、相当急に制作が決まったものらしく(幻の博多座公演の代替として急遽決まったのかな?)



ストーリーの焦点が、


「ナチスに情報を流すスパイを探せ!」と、


「ニジンスキー救済のためのバレエ公演」にかける舞台人の芸術への思い、芸術に暗い影を落とす戦争はあかん!


の2つあるのですが、脚本がもうすこし整理されたらもっとわかりやすくなったかな。



お話がほぼ数日間の間に「ホテルスヴィッツラハウス」の中だけで展開するグランドホテル形式で、背景の戦争の事情はセリフで語られるだけで舞台では演じられず、


舞台に登場しないニジンスキーさんのことを皆が言及しているのだけれど、正直「ニジンスキー」ってヒットラーやチャーチルほどの有名人でもないので、初見では


「あれ、ニジンスキーという人が殺されて、犯人を捜す話じゃなかったの?」


と思う方がいるかもしれません。




↓真面目な感想はこちらから



観劇後の真っ正直な感想



戦争下で伝説のダンサーニジンスキーの想いを継ぐ者たちの芸術への想いと、コロナ禍で、無観客で配信という形でも、宝塚という「場」を繋いでいくために奮闘する現状がリンクして、とても感動しました。



1個だけ。




おまえら、くっつくんかい!


ニーナ、キャリアも、真風氏みたいな顔した配偶者も両方手に入れるんかい!


てっきり、アメリカでユーリー・バシリエフとくっついたのかと思ったわ!



さらに余談ですが、ライビュ会場では両隣のシアターで「るろうに剣心」を上映していて、時折「ぐはあ」「ぎゃああ」と聞こえるので、


「ホテルスヴィッツラハウス」のお話の背後にある戦争を、いやでも連想しました。