宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

パパ、ティボルトの喪中に結婚式を強行しないでほしいの



宝塚もお世話になった、人間国宝坂東玉三郎からの、演劇を楽しむためのアドバイス

いつも、宝塚と直接関係ないネタが8割の本ブログを懲りずにご愛読いただき、ありがとうございます。


うどん県は急にムシムシしてきました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。コロナ対策もですが、体がまだ暑さと湿度に慣れていない時期です。熱中症にも気を付けましょうね。


最近、シェイクスピアの偉大な古典「ロミオとジュリエット」のストーリーにツッコミを入れるという、神をも恐れぬ所業をやらかしております管理人でございます。



若いころに触れた作品を、人生経験を積んだ後で触れ直すと、同じ作品でも、若いころとはまた別の感想を持つようになる、といいますね。


管理人は、10代のころにディカプリオやオリビア・ハッセーが演じた映画版「ロミオとジュリエット」に触れているのですが、




若いころはジュリエットに感情移入していたのが、子の親になった今、娘と喧嘩して立ち尽くすキャピュレット卿のほうに感情が・・・




でもなあ・・・


ティボルトの喪中に結婚式を強行するって、パリス伯爵もさすがにドン引くんじゃね?


しかも、原作には無い「キャピュレット家の莫大な借金」設定があるので、


借金のカタに娘を売るのか?



との思いが感情移入を邪魔するの。


そもそも、パリス伯爵は金も家柄もあって、莫大な借金を背負ったキャピュレット家の娘に結婚を申し込むことに、政略結婚的メリットは無さそうなのに・・・



・・・「おちょやん」の見すぎかしら。



みんな、正直シェイクスピアをどう思っているのだろう?



歌舞伎を見始めたばかりの方に向けて、歌舞伎を楽しむためのアドバイスをもらった。


「私は小さな頃、歌舞伎俳優になりたいと感覚から入り、分からないところは感覚で飛ばしながらやっていました。


学術的に、何かを分かろうとして歌舞伎俳優になったわけではありません。勉強しなくては……と思うようになったのは、大人になり、記者の皆さんに色々ご質問いただくようになったからです(笑)。


歌舞伎には、支離滅裂なところがあります。『桜姫』も『四谷怪談』も、話の展開が飛躍していますよね。けれどもそれは、歌舞伎に限ったことではありません。


演劇は、基本的に飛躍するものだと思うんです。シェイクスピアの『マクベス』だって、3人の魔女が予言するからと従いますか? 『ハムレット』だって亡霊の言葉を信じてそんな行動に出ますか?(笑)


劇場に入り演劇を楽しめるかは、その飛躍を楽しめるかどうかだと思います」


イギリスの劇作家シェークスピアの悲劇。5幕。 1606年頃執筆,初演。ホリンシェッドの『年代記』 (第2版,1587) に材を取り,


スコットランドの武将マクベスが魔女の予言に惑わされ,夫人と共謀してダンカン王を殺し王位につくが,夫人は狂死し,マクベスも討たれる。


良心の呵責に悩み,ついに厭世観に陥る主人公の心理を克明に描いた名作。


蜷川幸雄一周忌追悼公演『NINAGAWA・マクベス』プロモーション映像



デンマークのハムレット王が急逝したので、王妃ガートルードはまもなく王の弟クローディアスと再婚し、クローディアスが王となる。


ハムレット王子は早すぎた母の再婚を嘆くが、やがて先王の亡霊が現れ、弟によって毒殺されたことを王子に告げる。


ハムレットは復讐(ふくしゅう)のために狂気を装い、最愛の宰相ポローニアスの娘オフィーリアまでも失うことになる。


12年ぶりに蜷川幸雄×藤原竜也が「ハムレット」で再タッグ!(DVD発売予告編)


おお。玉三郎様もシェイクスピアにツッコミを入れるんだ!


そーだよねーっ



いくらなんでも、魔女、もとい謎のおばあさんが何かわめいているのを真に受けて、「よし、王様を殺そう!」とか、夢に出てきた父親の言い分を信じて「復讐するべきか、しないべきか」・・・



・・・


現代人も、魔女の予言を笑うけれど、誰が言ったかもわからないSNSの予言を信じたりするよね・・・


劇場に入り演劇を楽しめるかは、その飛躍を楽しめるかどうかだ


そもそも「名作」って何だ?


「ストーリー展開に破綻が無い」
「伏線を全部回収している」
「うんうん、そうだよねー エモくてわかりみが深い」


のが名作なのか?


でも、シェイクスピアなんて、演劇のプロ中のプロである坂東玉三郎氏から見ても、飛躍だらけである。


飛躍とは?



1 飛び上がること。跳躍。「ジャンプ台からあざやかに飛躍する」

2 大きく発展して活躍すること。また、急速に進歩・向上すること。「飛躍を遂げる」「ピアニストとして世界に飛躍する」

順序や段階をふまずに、急にとびはなれたところに移ること。「ストーリーが飛躍する」「論理が飛躍する」


演劇における飛躍とは、”順序や段階をふまずに、急にとびはなれたところに移ること”のことかなあ。


普段、私たちは半径500メートルの世界の狭い人間関係の中での「自分たちのルール」に汲々とする日常を過ごしているけれど、


舞台の上では、「自分の論理」を飛躍したことがまま起こる。その飛躍を「楽しめる」かどうか。



舞台だけではない。


SNSを覗けば、「自分の論理」で理解できない、「あいつは飛躍している」と思う対象に関して、全否定せずにおれないんだろうなあ、という言説が飛び交ったりするけれど、


その飛躍すら「楽しめる」かどうか、で、世界の捉え方は変わるのではないだろうか。


問題作と駄作の違い

まあ、管理人は、ウエクミの「SAPA]とか「fff」とは、正直さっぱりわからないのだけど、意地でも自分なりに納得してやるう!とぶっとび解釈を考えるのは楽しかったので、「問題作」






ぶっとび解釈を考える気力すら湧かないのが「駄作」と定義することにします。