著作権大丈夫?月組『グレート・ギャッビー』再演
2022年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、【宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演】の上演作品が決定しましたのでお知らせいたします。
月組公演
■主演・・・月城 かなと、海乃 美月
◆宝塚大劇場:2022年7月~8月(予定)<一般前売:未定>
◆東京宝塚劇場:2022年9月~10月(予定)<一般前売:未定>
ミュージカル
『グレート・ギャツビー』
-F・スコット・フィッツジェラルド作“The Great Gatsby”より-
脚本・演出/小池 修一郎
20世紀アメリカ文学の最高峰と言われ、何度も映画化されている「グレート・ギャツビー」。宝塚歌劇では、1991年雪組で『華麗なるギャツビー』として世界初のミュージカル化に成功。2008年には月組が日生劇場で2幕もの作品として再演し好評を博しました。
宝塚歌劇として3度目の上演となる今回、月城かなと率いる月組が、装いも新たにリニューアルした大劇場1本立て大作に挑戦致します。
名曲「朝日の昇る前に」はそのままに、更にバージョン・アップしてお届けする2022年版『グレート・ギャツビー』に、ご期待ください。
※詳細については、後日あらためてご案内いたします。
映画『華麗なるギャツビー』予告編1【HD】 2013年6月14日公開
・・・
海外もので気になるアレ、大丈夫?
最近著作権問題でファンを泣かせたアレ
ブロードウェイ・ミュージカル
『プロミセス、プロミセス』
PROMISES, PROMISES
Book by Neil Simon
Based on the Screenplay THE APARTMENT by Billy Wilder and I.A.L. Diamond
Music by Burt Bacharach Lyrics by Hal David
Produced for the Broadway Stage by David Merrick
PROMISES, PROMISES is presented by arrangement with Concord Theatricals on behalf of Tams-Witmark LLC. www.concordtheatricals.com
翻訳・演出/原田 諒
に比べて、
-F・スコット・フィッツジェラルド作“The Great Gatsby”より-
シンプルですね。
実は、F・スコット・フィッツジェラルド作“The Great Gatsby”の著作権は、今年(2021年1月1日)に完全に切れていたのです!
配信、円盤化、やり放題!いえーい!
そういえば、フィッツジェラルドは1940年に亡くなっているのですが、去年まで著作権が生きていたのですね。
米国では2021年1月1日、1925年に出版された著作物がパブリックドメインとなった(Center for the Study of the Public Domainの記事、 The Vergeの記事)。
1925年は文学作品の当たり年と考えられており、スコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」やバージニア・ウルフの「ダロウェイ婦人」、アーネスト・ヘミングウェイの「われらの時代 (In Our Time、1925年版)」、フランツ・カフカの「審判」など、数多くの作品が世に出されている。
多くの国では著作者の死後50年または70年の著作権保護期間を定めており、フィッツジェラルド(1940年没)やウルフ(1941年没)、ヘミングウェイ(1961年没)、カフカ(1924年没)の作品はすべてパブリックドメインとなっている。
しかし、米国では1977年までに出版された著作物の保護期間が95年のため、まだ全作品がパブリックドメインにはなっていない。
「シャーロック・ホームズ」シリーズ最後の10作品で複雑に変化したホームズの人物像が著作権保護されるという主張は、米国で作者アーサー・コナン・ドイル(1930年没)晩年の作品が著作権保護期間内であることによるものだ。
ホームズの著作権、まだ完全に切れていないのですね。
宙組の『シャーロック・ホームズ』のタイトルに最初(仮)とあったのは、著作権がらみで縛りがあったのかしら。
日本の作家の日本での著作権が保護される期間は、著作者の死後70年とシンプルですが、
著作権の法的保護の期間が国によって違うため、例えば三島由紀夫の「春の雪」の著作権は日本ではまだ切れていませんが、カナダでは切れている、など複雑な状況になっているそうです。
柴田作品も、宙組100周年の頃には外部で上演し放題になるの?
宝塚ファンにとっては、
「著作権のせいで音源差し替え(泣)」
「著作権のせいで円盤化なし、スカステ放送も無し(怒)」
あるある・・・
反面、宝塚歌劇団だって著作権で守られているおかげで、外部の劇団に柴田作品などを勝手に上演されずに済んでいるわけです。
裏を返すと、宙組100周年の頃には、柴田作品だって著作権フリーになって、外部の劇団で上演可能になる、ということでもある。
70年後に宝塚歌劇団が存在しているのか、その頃の観客にとって、柴田作品は外部で上演するほど魅力的かどうかは、今の時点では誰にもわかりませんが(宝塚の現在の若い観客にとっても、柴田作品はレトロになりつつあるのかも知れない)
そう思うと、発表から95年を経て、異国の大劇場で上演され、ファンに「楽しみ♪」と思わせるフィッツジェラルドはとんでもない才能だったのですね。