男役水美舞斗の魅力って何だろう
『One and Only』とは
意味・対訳
(…にとって)最愛の人、真の恋人、唯一無二の、天下にこの人しかいない
水美さんの男役としての「唯一無二の」「天下にこの人しかいない」魅力とは、何か?ちょっと考えてみました。
個人的に思うのは、水美さんって、筋肉でゴリゴリ踊るダンスとか、キラッキラの笑顔とか、
日本の少女マンガやアニメの「王子様」というより、
「ディズニー・プリンス」
の白い王子様的な男役だと思います。
ディズニーアニメの世界は、女児や女性のファンが多い印象があるのですが、
「ディズニープリンセス」や「ディズニーヴィランズ」と比較すると、「ディズニー・プリンス」キャラクター個人の商品展開は少なめ。
宝塚と真逆すぎる。
なぜなのか、個人的に謎でしょうがないのです。
女の子にとって、「ディズニー・プリンセス」はあこがれ、自己投影の対象で、
「ディズニー・プリンス」は、女児が自分の恋人を投影する対象なので、強烈な個性よりは、「記号としての白い王子様」が好まれるのでしょうか。
宝塚の男役も、学年を重ねるにつれ、独自の個性が煮詰まってきて、料理でいえばコク、ある意味灰汁(アク)が出てきます。
「アク」は「悪」ではなくて、
灰汁はにが味やえぐ味、しぶ味の原因にもなりますが、別の視点から見ればその食品の持つ「コク」でもあります。
独自のコクゆえに
「好きな人にはたまらない」
反面、独自の灰汁(あく)ゆえに
「私はちょっと好みに合わないの」
という方も出てくる可能性があります。
水美さんの魅力は、「ディズニー・プリンス」の晩餐会に出てきそうな、
美しい水のように澄んだコンソメスープの味わいを、学年が上がっても保ち続けていることだと思います。
水美さんが花組以外に特出するときに、同期の存在うんぬんもありますが、
この「アク」の無い透明さが、ドロドロのポタージュみたいに濃ゆい男役が並ぶ中に入って、唯一無二の魅力として映えるのか?
あるいは化学変化によって、分子ガストロノミー(分子美食学)でいう「済んだポタージュ」のような唯一無二のスープになるのか?