宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

天華えまが『RRR』で退団だあARRR…



3度に渡って新人公演主演を務めた天華えま。新人公演卒業後、2023年のバウ・ワークショップ「Stella Voice」(バウホール公演)では「メインキャスト」を務め、後輩たちのよき兄貴分でした。



彼女の舞台で印象深いのは、海外ミュージカルにおいて「男役度バリバリ」よりも


「ハリウッド映画の主人公の親友役で、よくこんな気のいい兄ちゃんが出てきて、カフェでホットドックを食べているよね」


というほっこりとしたリアリティで存在していたお役です。


2021年の『ロミオとジュリエット』 のB日程で演じた、子猫みたいにロミオとじゃれ合っていた無邪気なマーキューシオが、マンホールに落ちるようにふっと愛ちゃんの「死」に引きずられたあっけなさ。


『ME AND MY GIRL』(博多座)での、 幼稚園からエスカレーター私立育ちで、受験戦争とか就職戦線とかにまったくもまれてなさそうなジェラルドの、憎めないノー天気さ。


宝塚の路線男役は、パリの洒脱とか、カルフォルニアの海岸に降り注ぐ太陽のような芸風が多いですが、


天華えまの、イギリスのオックスフォードとか、東海岸の名門大学のキャンパスの中庭でくつろいでいる、ええところの坊ちゃんの風情がある男役みが好きでした。