宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

和希 そらDS『Vie.』が今年のラスト公演で良かった



宝塚での「メリークリスマス」は、「戦場のメリークリスマス」のような状況になってしまいました。



有名なあの音楽は、実はとてもヘヴィなテーマの主題歌だった

映画『戦場のメリークリスマス』新予告



関西圏の宝塚ファンの中には、もう3か月以上、生の宝塚の舞台を見ていない方もたくさんいらっしゃるでしょう。


2023年最後の宝塚の公式活動となった和希 そらDS『Vie.』の配信視聴数は、相当なものになったのでは?


世間が「メリークリスマス」に沸き立つ中、あえて宝塚歌劇団に課金して「宝塚の今」に触れたいファンがいる。


和希 そらDS「『Vie.』の配信は、奇しくもいち路線ジェンヌの退団餞別DS」の枠を超えて、一連の報道に傷つき、飢えた宝塚ファンが、それでも宝塚に寄せる願い、祈りを受け止める機会となったのではないでしょうか。



和希 そらは、路線ジェンヌの中では歌唱とダンスの芸の確かさで礼真琴と双璧で、


礼真琴の芸風は「芸の神様に心身を捧げる儀式」を参列者として拝見するような荘厳さがあるのに対し、


和希 そらは、確かな技巧を駆使しながらも、肩の凝らない軽い歌唱&ダンスなのが良いですね。


前半のJーPOPクリスマスソングメドレーなど、他のジェンヌではクラシック志向のヅカ歌唱の重さが、JーPOPのはじける軽さの邪魔をしそうなところですが、和希 そらは楽曲に要求される”軽さ”をきちんと表現できる。


後半の宝塚メドレーでは、元のお芝居で2時間かけて醸成された想いを3分間で打ち明けるソングの熱量をきっちりこってり再現できる。


和希 そらの、高度なテクニックを駆使して「重さ」を感じさせない芸風を生かし切った野口 幸作氏の演出も冴えていたと思います。