宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

かっこいいトップだよ!彩風咲奈







タカラヅカ・ゴシップに揺れる中、現役のトップさんが報道機関のカメラの前に立ち、異例の緊張感に包まれた退団会見だったと思いますが、記事からもお人柄の伝わる心のこもった会見でしたね。


彩風さんは超絶スタイルに抜群のダンス力、歌唱も及第点の優等生。


お芝居については、カメレオン役者とか憑依型というよりは、「彩風さんはこういう役作りで演じているのだな」という、洋服でいう型紙とか縫い目とか、ちょっと裏地が透けて見えるところがありました。


私は彩風さんのお芝居、好きでしたよ。


たしかに、器用ではなかったかもしれません。


昔の巡礼のお坊さんが、一宿一飯のお礼に大ナタでばばっと彫って置いていった仏像のような、おおらかで、でも役の芯はしっかり掴んだ演技でしたね。


印象的なお役は…「俺たちに明日は無い」という刹那よりも、『 CLYDE&BONNIE 』でなく『BONNIE & CLYDE』とパートナーに名前を先譲る情の深さが印象的だったクライド。


子どもの頃からアスファルトとコンクリートジャングルで育ってきた人には、ちょっと演技力では醸し出せなそうな、田んぼの土の匂いのする『夢介千両みやげ』の夢介。


自分が創作したキャラに人生を乗っ取られかけるトホホな作家を演じた『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』


少年ジャンプ連載作とかザ・歴史大作をカリスマ性でねじ伏せるよりも、どっちかというとカルト的に埋もれていた作品を掘り起こして復活上演したような演目でのお役が印象的です。