宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

エル・ハポン 斬っていいのは斬られる覚悟のある奴だけだ

シンプルな話のはずなのに

昭和のころ、まさにエルハポンみたいな雰囲気のポスターの、チャンバラ時代劇とか、西部劇とか、そういうものがありました。


だいたい見知らぬ土地にやってきた主人公が、そこに在住する女性と知り合い、その街で暗躍する黒幕をやっつけて、クサい別れのセリフを言って、また別の街へと旅立つ、みたいな話だったな。


うん、ポスターに偽りはない(笑)


まず「スペインにハポン性を名乗る人々がいる・・・」のナレーションでオチも見える話ですよね。

話の行方が視界不良

ねえ、大野先生。そのワンパターンにいかに色を付けるか、で和賀家の遺恨話をいれているんでしょうけどね。冒頭いきなり藤九郎が乱入して、治道が斬るの斬れないの言って、2人とも船に乗るシーンね。


見ている私はそんな険悪な二人を同船させるなんて!とびっくりして、行先もよくわからない船に、自分も無理やり乗せられた気分になったぞ。船の中はみんなものすごーく気を遣っただろうな。支倉さん、胃に穴が空いたんじゃあなかろうか・・・


シンプルな話をややこしく語って、余計な混乱を与える作劇は感心しません(怒)


戦争を知らない子どもたち

・怒りに任せて刀を抜いて、どうしていいかわからなくて固まっているカタリナに優しく「力を抜いて、指を放して」
・殺してやる!とイキっている藤九郎に「死んでやるべきかどうか」
・負けを認められないエリアスに「こんなときは、参ったというんだ」


このへんのセリフ、治道さん戦場で死線をくぐって、洗っても消えない血の匂いを知っているんだなあと思う。エリアスや藤九郎は戦場に出てないもんな。


昔ハードボイルドというものがあって

このお話の作劇にはいろいろツッコミどころがありますがね。治道さんの生きざまに


「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」
「タフでなくては生きていけない。やさしくなくては、生きている資格がない」
                      byレイモンド・チャンドラー
的なハードボイルドなサムライ魂を感じたので、もうね、許しちゃう(笑)
甘いなー自分。