宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

明日海りおのキャリア戦略 ポーもいいけど外国の演出家とシェイクスピアとか見たい

明日海りおさん 週刊朝日表紙&インタビュー


「また男役をやる機会があるとしても、宝塚時代とは違った姿をお見せしたい」といった内容のインタビューがありました。


うーん、具体的なプロジェクトが進んでいるのかな?


宝塚ブロガーの皆様は「すわ、ポーの一族再演か?」と予測されている方が多いようですね。

ポーの一族再演もいいけどさ

「ポーの一族」かあ・・・私はバスツアーで幸運にも一度だけ拝見できました。


明日海エドガーを例えるなら、エリザにちなんでハンガリーのトカイワイン(貴腐ワイン)で。


世界でもごく一部の特殊な土壌、気候、気温でしか成り立たない(他地域では貴腐菌に感染すると発酵前に腐敗する)「高貴なる腐敗」


100年の熟成にも耐え、甘く燃えるようなと称されるワインの帝王。


中2病を拗らせたまま100年以上生きているエドガー役って、彼女以外に誰がやれるだろう?


演技派天才子役はいるでしょうが、瑞々しくも宝塚105年の熟成の澱が沈殿したような、明日海エドガーの瞳をもつリアル14歳っているかしら。まさに当たり役だったなあ。


まあ、ポー再演もいいのですが。


もしポーの一族を再演し、その後東宝エリザベート役となると、小池先生の演出でしょうし、宝塚時代のファンがチケットを買うことになるでしょう。


彼女の宝塚時代の「男役・明日海りお」ファンはだんだん入れ替わってゆく。これから5年後、10年後、20年後、演劇界でどうやって新たなファンを呼び寄せ、キャリアを築いてゆくのか。


最近、日本版「アナスタシア」でマリア皇太后役を務められた大先輩、麻実れいさんの公演動画とインタビューに感銘をうけまして、数十年後、こんな明日海さんを見たい、と個人的に夢想したので、ちょっとご紹介。


アナスタシア東京公演動画(ラストたぶんネタバレあり注意!)



ミュージカル『アナスタシア』日本初演公演スペシャルプロモーションビデオ


「皇女アナスタシア・ロマノフは死んで、皇太后もともに死んだ」


歌舞伎の女形の人間国宝のように力強く、オペラのアリアのように格調高く、そして真情あふれるセリフ。


このミュージカル、他の主要キャストはダブル・トリプルですが、マリア皇太后のみシングルキャストなのも納得。


明日海さんには、こんなセリフを言える役者になってほしい!


トップになるとすぐ宝塚の伝統である“美しい男役”として終われたらと思って、『風とともに去りぬ』の2回目を演じきった時に退団届を出し、皆さんに見送っていただいて卒業したけれど、そのころは演劇に対して面白さがどんどん膨らんでる時期なのね。そんなところに、松竹さんからお話があって、『マクベス』のレディ・マクベスをやりませんかということになったんです。


これだけ不器用で時間をかけないと何もできない私が、なぜ今も舞台に立っているのかと思い起こすと、宝塚卒業後10年間、私はずっと英国や米国、外国の演出家とお仕事しているんです。


日本の演出家は私を知っているから、イメージを持っていらっしゃるでしょ?でも向こうの人って私が何をしてきたか知らないわけで、何のイメージも持たず、この子は演劇を全然わかってないなとなると、手を取り足をとり、焦ることなく教えてくれたんですね。出演作の一つ一つが大きな勉強になりました。

男役明日海りおを知らない外国の演出家にシェイクスピア劇を演出してもらうのはどうだ

明日海さん、宝塚時代から気難しそうでねえ・・・インタビューなどからの推測ですが、本格的な「女性の役」をやるのも心理的にまだ壁があるのかな・・・と感じることもあるのですが💦


東宝ミュージカル関係の演出家は、明日海さんを知っているだけに、元宝塚の男役、明日海りおに女優としての演技をつける、となったら色眼鏡もあるかもしれないし、


大きな事務所にいるのだから、ミュージカルにこだわらず、外国人演出の本格的なシェイクスピア劇とかで、女優として主演にこだわらず2番手、3番手役でも修行するのはどうだろう。


とか夢想するのでした。