『ブラック・ジャック 』役名:コロス って気の毒な気も
一億総『コロス』の時代に
主な配役
ブラック・ジャック 月城 かなと
アイリス/如月 恵 海乃 美月
スノードン卿 凛城 きら
サザランド 光月 るう
エンリケ将軍 春海 ゆう
レポーター 夢奈 瑠音
ボーディ 朝霧 真
ヴィクトリア女王 麗 泉里
キャサリン・ヘイゲン 清華 蘭
コロス 蘭 尚樹
ケイン 風間 柚乃
リンゴー 空城 ゆう
ジョアン 天紫 珠李
ジョイ 礼華 はる
ベリンダ 結愛 かれん
コロス 菜々野 あり
コロス 一星 慧
ヨランダ 白河 りり
コロス 羽音 みか
ピノコ 美海 そら
ローラ 花妃 舞音
ブラック・ジャックの影 一輝 翔琉
お話は、スカステの初演の放送内容紹介によると、
英国情報部の依頼で某国女王の命を助けたブラック・ジャック(安寿)は、代金受け取りのためにヒースロー空港に到着する。
そこで発作を起こし倒れた男性に応急処置を施す。その後、情報部を訪れたブラック・ジャックは、昔の恋人恵(森奈)にそっくりなアイリス中尉(森奈・二役)と出会う。
ブラック・ジャックを追って来たアイリス中尉は、元恋人の手術を依頼する。
その恋人ケイン(真矢)は元情報部員だったが、今は国際情勢の分析に優れていると評判のブックメーカー(賭け屋)だった。彼の頭の中には、アイリスをかばって受けた銃弾の一部が残ったままになっていた。
ブラック・ジャックがケインに会いに行くと、空港で応急処置をした男性だった。
紅子:宝塚大劇場で上演したお話を全ツに回すと、結構な下級生にも役名が付くものだけど、
22名中4名が
役名:「コロス」
なのね。
これは何ごと?暗殺部隊?
管理人:「コロス」とは演劇用語で、コーラス (chorus)の語源よ。
合唱舞踊団。ギリシア劇において,筋の直接の展開から離れて,解説者や批判者として劇に参加する俳優の一群。
紅子:宝塚でおなじみ「何人連れてるんだその分身?」
管理人:石田先生が、しょっちゅう登場させる「劇の進行役 兼 時々ツッコミ役」
紅子:でもさあ、石田先生の『殉情』では、イマドキの若者の『マモル』と『ユリコ』
ディミトリでは「リラの精」たちに
ガンベダオバ vazhkʼatsoba(リラの精) 小桜 ほのか 勇気
スィクヴァルリ siqʼvaruli(リラの精) 瑠璃 花夏 愛
シブルズネ sibrdzne(リラの精) 詩 ちづる 知恵
このサイトにお世話になりました。
とか、いわゆるコロス的役割の生徒さんにも役名をつけてあげているじゃない。
役名:コロスって、
役名:脇役
みたいで気の毒だわ!
正塚先生も、ちょっと名前を考えてあげても・・・
管理人:コロスは「群衆」という「役」でもあり、劇中の一般大衆の代弁をすることもある。
群衆のもつ特殊な心理的状態として,(1) 被暗示性,(2) 残忍さ,熱狂などの情緒性,(3) 無名性,(4) 無責任性などがあげられる。
このお話の初演の頃は、「群衆の声」って、マスコミの取材や報道によって、ある程度取捨選択されて伝えられるものだったけど、
今はSNSで「群衆の声」が可視化されるようになった。
さまざまな意見があるのは、いいことだと思うんだけど、
「群衆の声」の無名性、無責任性、熱狂や残忍さが、かすかな声をかき消してしまう時代になった。
SNSによって、世の中は劇場化し、私たちは事件の「観客」から「コロス」になった。
紅子:『一億総コロス化』時代?
管理人:『ブラック・ジャック 危険な賭け』再演にあたって、物語の時代設定がどうなるのかはわからないけれど、
正塚先生があえて「役名:コロス」にしたのは、何か意図があるんじゃないかな?
「かわらぬ思い」
はるか群衆を ひとりあとにして
今日も聞こえる かすかな声
どこへ向かえと言うのか 果てない道を