宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

「OneHeart」柚香さんの歌がなぜか心にしみたので理由を考えてみた

ひとつの 心に 熱い血が 流れて♪


特別映像「One Heart PROJECT」


皆様、お元気でしょうか。


日ごろ「贔屓の歌に聞きほれたいなあ」と願っている地方民でございます。


・・・ええ、今わたしは、とてもセンシティブなことを語ろうとしているのですけれども。


「One Heart PROJECT」の動画を最初に見た時に、柚香さんのパートになって、無意識にぐっと手を握り締めたのですが💦


柚香さんの歌を聴いた時、なぜか


「戦場で、もう生きて恋人に会うことはできないと悟った兵士の遺した、最後のビデオメッセージ」を見たような錯覚を覚えまして。


次の礼さんになったら、すっかり安心して手を開いたんですけど、もうさっきの兵士は脳裏からふっと消えていて。


これは柚香さんの「歌が上手くなった」?



【公式】<期間限定 おうちでタカラヅカ>宙組 ミュージック・クリップ 「NEVER SAY GOODBYE」~宙組『NEVER SAY GOODBYE』より~


↑もともと「One Heart」は、「NEVER SAY GOODBYE」という、スペインが真っ二つに分かれて内戦状態になり、それぞれのバックにナチスドイツとソ連がついて、代理戦争をしているような状況で、主人公のカメラマンが従軍するお話の挿入歌です。



80年代「聖子ちゃん派」VS「明菜派」に見る歌の表現の方向性の違い

私は幼少期、


まっさかさーまーに 堕ちてDESIRE♪


と、欲望(DESIRE)という名のダンスを、意味も分からす踊っておりました。(バブルの時代だったんですよ)


当時クラス中が「聖子ちゃん派」と「明菜派」に分かれておりました。(私は明菜派)


どちらも、ものすごく歌のうまいアイドルさんだったんですけど、


松田聖子ちゃんは「音の快楽追及派」甘い声で、音域が広くて正確で、「赤い スイートピー♪」とか数々のヒットを飛ばして、何を歌っても「ああ、王道アイドル聖子ちゃんを聞いた!」と満足させ、


中森明菜さんは「世界観を作って入り込む役者歌派」で、新曲ごとに曲調も、衣装も歌い方もガラリと変えて、「そうみんな堕天使ね 汗が羽のかわりに飛んでる」だの歌っていて、


私は見たはずのない、カーニバルの踊り子の黒いヒトミや、リオの街に舞う銀の紙吹雪の光景をなぜか見た気になっていました。


今思えば、子供心に歌の表現にはいろんなパターンがあると学ぶことができた、貴重な経験でした。


(今の歌い手さんで、ここまでくっきり色が違うライバルって誰でしょうね)


5組トップをあえて聖子派と明菜派に分類してみる

「One Heart PROJECT」で5組の現役トップさんが同じ歌を歌い継いているのを聴くと、男役トップさんの個性の違いがよくわかりますね。


個人的印象は
聖子派:珠城、礼、真風 
明菜派:柚香 
奇跡のハイブリッド:望海


劇団が「One Heart」という歌を、今あえて英語字幕付きで発表するということは、「分断した世界へのメッセージ」という意図もあるのかな、とも感じるのですが、


こういうメッセージ性の強い曲だと、柚香さんのハスキーな声の「世界観を作って入り込む役者歌」が、ヒリヒリした効果を伴って耳に沁みる、という場合もあるのかな、と思いました。