宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

ロミジュリ先行画像(byレスリー・キー)評判悪い理由をあえて考えてみた


星組『ロミオとジュリエット』先行画像(Photographer レスリー・キー)


あー、確かにねえ。宝塚って大の大人が、自分で自分にジュモンをかけているところがあるけれど、


レスリー・キーさん、ポスターで「Photographer Leslie Kee」となると、ファンのその甘い脳内麻酔に、あえてちょっと違和感?を投げてくるところがあるよね。


これまでの『ロミオとジュリエット』ポスター


初演ポスター2010星 


2011雪 Photographer Leslie Kee


2012月 Photographer Leslie Kee


2013星 Photographer:下村一喜


あれ、レスリー・キーさん毎回『ロミオとジュリエット』の担当でもなかったのね。


最近の大劇場のポスターに”Photographer 〇〇”とクレジットされている写真家たち

雑誌のモデル撮影系
下村一喜(チェ・ゲバラ)、ピガール


富田眞光(CASANOVA)
http://tomitamasamitsu.com/


幻想・耽美・妖艶系
野波浩(ファントム A Fairy Tale -青い薔薇の精-)

Chagoon(月組エリザ ポーの一族)


そしてレスリー・キー(All for One スカーレット ピンパーネル オーシャンズ11 ワンスアポン)


2008年星組「スカーレット・ピンパーネル」から宝塚のポスター撮影を、2010年から「歌劇」の表紙を手掛けてくださっています。


レスリーさん、その後宝塚以外のところでいろいろあったのですが・・・まあ、エロス、性愛(異性愛、同性愛問わず)について突いてくる、かなり尖がった作風の方ですわ(ごにょごにょ)


詳細はこちらを


レスリー・キーは「職人」モードと「アーティスト」モードを使い分ける

レスリー・キーさんは、「歌劇」の表紙では職人として、宝塚ファンのためのコマーシャルとして求められている


「スターをひたすらカッコよく」


に徹底している。最近ファンになった方は、「歌劇の表紙のカメラマン、誰?」とも思わずに見ている方もいるでしょうし、それでいい。


実は知人(一般人)がレスリー・キー氏のモデルになったことがありまして(本人はそのことを公開されております)



第一弾、第二弾の撮影を担当した写真家のレスリー・キー氏は、LGBTであることをカミングアウトしてプロジェクトに参加しているモデルについて「それぞれに物語がある」と話す。撮影にあたり「本人の深いアイデンティティーを切り取っている」というレスリー。


今の時代、撮影自体は素人でもできるわけで、プロならば技術があってあたりまえ。「アーティスト」たるもの、作品を見て「ああ、これはあの人が作ったものだな」という作風、文体、クセ、


「わたしは世界をどう見ているか、被写体をどう解釈したか」


という視点がなければ、自分の名前を前面に出して個展やら、作品集出版はできない。



で、大劇場公演のポスターとなると阪急沿線&都内各地で「Photographer Leslie Kee」の撮影作品として大衆の眼に触れるわけで、「アーティスト レスリー・キー」モードになる。


原作の「偉大な作家の、安心で安全な古典的名作」というイメージ、


「少年風味な男役」礼真琴、「かわいい娘役」舞空瞳 というパブリックイメージ 


その奥にあるものをえぐる目。




レスリー・キーさんのポスターは、写真そのものには映っていない物語、深いアイデンティティーを切り取ろうとする、


安心なお約束を、あえて少しだけ踏み越えてくるモードが入っていて、正直、怖い。



でもワクワクする(笑)どうせなら何かぞわっとするところがなければ、「Photographer Leslie Kee」の必要が無いもの。


ポスターの完成版が楽しみです。