宝塚 ライビュ専科の地方民のブログ

宝塚を「好き」という気持ちを因数分解してみたい、という思いで綴っています

アニメ『アナスタシア』Disney+ で配信開始!予習にいかがでしょう


アニメ『アナスタシア』Disney+ で配信開始!



『ムーラン』をきっかけにDisney+に加入した宝塚ファンの皆様、宝塚版の予習にいかがでしょう?


グレブがいなかったり、ラスプーチンが魔法使いだったり、ミュージカル版や「神々の土地」とはまた世界観の違った作品です。


20世紀FOXの制作ですが、ぱっと見の絵柄がディズニーそっくりなのは、アニメ監督が元々ディズニーで作画監督として修業を積んだ方なので


・・・で、長くレンタルショップでもしれっとディズニーの棚に陳列されていたりしました💦


ミュージカル『アナスタシア』の元ネタ


20th Anniversary "Journey To The Past" Performance | ANASTASIA The Musical
↑アニメ公開20周年記念で、アニメとミュージカル版実写アナスタシアがコラボしています。


ミュージカル「アナスタシア」は1997年公開のアニメーション映画「アナスタシア」に着想を得て制作されました。


1997年版のアニメーション映画も、公開当時は1956年の映画「 Anastasia」(邦題は「追想」の「リメイク」として宣伝されました。(製作はどちらも20世紀FOX)


あ、今はディズニー版権になっていますね。(ディズニーが20世紀FOXを買収した為)


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配信はこちらから。(英語版なので注意💦)予告編がご覧になれます↓


アナスタシア役は「カサブランカ」「誰が為に鐘は鳴る」など、宝塚でもおなじみの名作のヒロインを務めたイングリッド・バーグマン(この作品で2度目のアカデミー主演女優賞を受賞)


1915年スウェーデン生まれ、王立ドラマ劇場付属の演劇学校で学んだイングリッド・バーグマンは、撮影当時40歳!アニメやミュージカル版の年齢設定よりはだいぶ上なのですが💦


バーグマンの体現する、古き良き欧州の上流階級の方の立ち居振る舞い、気品、香気。


育った時代が違いますからね。今の時代のハリウッド女優で、この”やんごとなさ”を出せる方はいるかしら。


詐欺師の青年役は「王様と私」の王様役を当たり役として4633回演じた、名優ユル・ブリンナー。スキンヘッドと顔面のクセがすごくて・・・千鳥も圧に負けそう。


1950年代の銀幕のスタアが宝塚の男役芸・娘役芸のルーツ?

『カサブランカ』や『追想』のような、夢のような銀幕のスタア達の演技スタイルは、1960年代になると「アメリカン・ニューシネマ」と呼ばれるリアル路線に押され、「過去のスタイル」となっていきます。


春日野八千代さんは、戦前の少女歌劇レビューの夢のように甘い男役像から脱却し、戦後の新しい男役スタイル、菊田一夫脚本を演じられる骨太な男役像を確立しようと模索してたそうです。パリレビューの「紳士S」のキャラのままでは、リアルなお芝居はできませんからね。


で、春日野さんが参考にされたのが、1950年代の映画の銀幕のスタア達。


個人的には、『カサブランカ』や『追想』の頃のハリウッドの演技スタイルが、戦後、現代まで繋がる宝塚的男役芝居・娘役芝居の「型」の源流かもしれないと思っています。


宝塚という所は、古き良きパリレビューとか、銀幕のスタアとか、本国でも主流ではなくなったスタイルが、生きたスタイルとして日々演じられてファンをときめかせる、正倉院のような場所だなあ。



秋の長夜、アニメ版、映画版で舞台の予習はいかがでしょう。