ホームズがアイリーンに抱いた「恋愛と言えない」感情
シャーロック・ホームズが探す「何か」がわかるようでわからない
みんなーっ
最近の宝塚のお芝居って、難解なものが多くないですか?
いやほんと。
今年は「fff」に始まり、
ロミジュリだって元ネタがシェイクスピア様、
「アウグストゥス」も主役の名前かと思ったら主役は「オクタヴィアヌス」でアレ?
「桜嵐記」も現代人の価値観からすると、「うんうん、わかる!」と素直に言いづらいところがある時代を扱っている。
私、最近舞台を見た「感想文」を書こうとして、毎回うんうん頭を抱えてしまって疲れる💦もっと気軽に楽しく宝塚の芝居を見たい(「シティハンター」はどうなのだろう)
宙組版「シャーロック・ホームズ」も、事件が起きて「さあ、みなさんも、犯人は誰か一緒に考えましょう」というタイプのお話ではない。真犯人は当然あの人だ。
目の前で次々事件が起こり、ホームズが勝手にとっとと解決し、
ちょっと「シン・ゴジラ」っぽいというか、演出の小気味いいテンポに身を任せているうちに舞台は進んでいくので決して「ダラダラして退屈」ではないのだけれど、
さて、
ホームズは何を探しているのだろう?
その答えが「真犯人」とか「隠し財産」といった類ではなさそうなのだ。
これは結局、シャーロキアン(ホームズオタク)生田先生が、ホームズ世界の住人を使って書いた「シャーロック・ホームズ論」である。
オタクの論文を、その分野に全く興味が無い人が読んで「うんうん、わかる!」とはなかなかレアなこと。どうせこれから観劇するなら、原作の世界にちょっとでも触れておくと、ぐっと面白くなると思う。
では忙しい皆様が、これから予習に1冊読むならどれがいい?
管理人のおすすめはズバリ
創元社推理文庫版「シャーロック・ホームズの冒険」
価格:990円 |
・細切れ時間でもさっと読める短編集。しかも第1話は、アイリーン・アドラーが活躍する「ボヘミアの醜聞」これだけなら数十分で読めます!
・翻訳された年代が新しい(2010年)ので、訳文が読みやすい。
他社の版は、昭和の頃に翻訳された訳文がそのまま使われていたりして、現代人には読みづらかったりする(もちろん、時代がかった文体が古風な雰囲気があって好きな方もいらっしゃるので、好みですが)
・原作が連載された当時の、みんなどこかで見たことがある「ヴィクトリア時代の雰囲気」を感じる挿絵(シドニーパジェット画)を収録。
そして、
・ヅカファン的には、東京創元社といえば、絶版だった「ほんものの魔法使」を復刊していただいた恩義がある(笑)
公式サイトから、第1話「ボヘミアの醜聞」冒頭、ホームズのアイリーン・アドラーへの想いがお試しで読めます。
シャーロック・ホームズにとって、彼女はいつの場合も「あの女」である。それ以外の呼び方で、彼女のことを口にすることはめったにない。
彼の目から見た彼女は、「女性」という性全体を圧倒し、ほかの女性すべての影を薄くさせてしまっているのである。
だが、そうだと言って、ホームズがその女性、アイリーン・アドラーに対し、恋に似た気持ちを持っているわけではないー
え、どういうこと?と思った貴方、続きはぜひ購入してご確認を!(笑)